Adobe Systemsが、新しいMac用ソフトウェアのテスト版を投入した。この製品は、昨年Apple Computerが発売したプロ用写真処理プログラムに対抗するものと見られる。
Adobeは米国時間9日、「Adobe Lightroom」のパブリックベータを公開した。同プログラムは本格的な写真愛好家向けで、RAWフォーマット画像の処理/選択/編集などが可能。Appleも同様のコンセプトを持つApertureを昨年後半に499ドルで発売した。
しかし、AdobeではLightroomの開発にしばらく前から取り組んでいたと述べている。なお、同ソフトウェアの正式版発売は「2006年後半」以降になると見られている。
「われわれがLightroomの初期バージョンを初めて公開したのは、2005年4月に開催したAdobe Ideas Conferenceの時で、データのキャプチャからプリントまで、新しい能率的なデジタル写真処理体系を示すのが目的だった」と、Adobe社長のShantanu Narayenは声明のなかで述べている。「Lightroomはまだベータ版だが、写真家ならこれがPhotoshopを補完する一流の技術であることに気付くだろう」(Narayen)
最初のテストバージョンはMac版のみが公開されているが、AdobeではいずれWindowsバージョンも発売する見通しだという。
Adobeのシニア製品管理ディレクターKevin Connorによると、同プログラムはテストバージョンでも実用レベルに達しているが、まだ実装されていな機能もあるという。
「生産的に作業できることは確かだが、まだこれから多数の機能を追加する予定がある」(Connor)。優先順位の高いものとしては、関連する写真を「スタッキング」するという機能がある。この機能はApertureやPhotoshop Elementsにも搭載されているが、Lightroomにはまだ搭載されていない。
Connorによると、実装済みの重要な機能には「ライトアウト」ツールなどがあるという。これは、プログラムの編集ツールを隠し、処理中の写真だけを表示できるようにするもの。また、同ソフトウェアに写真家が自分のブランドを入れるオプションもある。これにより、クライアントに作品を見せる際に同プログラムをよりよく活用できるという。
同社では、米国時間10日に開幕する「Macworld Expo」で同社ブースにLightroomを展示する予定。なお、このベータ版はAdobeのウェブサイトからも無償で入手可能となっている。
AdobeではLightroomの動作環境として、最低でも1GHzのPowerPC G4と768Mバイトのメモリを搭載し、1024x768ピクセルの解像度を持つシステムを推奨している。メモリ容量が512Mバイトに満たないシステムではLightroomは動作しない。
この動作環境はかなり厳しいものだが、それでもApertureで必要とされるものに比べれば敷居が低い。Apertureを動かすには、デスクトップの場合、iMac G5かPower Macの1.8GHzモデルが必要となる。また、1.25GHz以上のG4プロセッサを積んだ15もしくは17インチのPowerBookでも動作可能だが、最低でも1Gバイトのメモリが必要で、またプログラム本体と関連ファイルを保存するだけで5Gバイトのハードディスクスペースがなくてはならない。Appleの推奨するApertureの動作環境は、2GHzのデュアルG5プロセッサ搭載Power Mac(2Gバイトのメモリを搭載)となっている。
なお、AdobeではこれからLightroomの正式な動作環境や価格を決定することになるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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