NTTドコモは4月14日、PCサイトが携帯電話から見られるフルブラウザを搭載したMotorola製端末「FOMA M1000」を発表した。30代から40代のビジネスユーザーをターゲットとする。夏のボーナス商戦に向けて、6月ごろに市場投入する考えだ。
ブラウザはOpera7.5を採用した。タブ機能を備えており、複数のサイトを並べて閲覧することができる。ただしiモードは使えないため、iモード用サイトを利用することはできない。
M1000(左)でPCサイトのgooを表示した様子。P901i(左)と比べると、M1000がふた回りほど大きい
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同社プロダクト部担当部長の田村穂積氏によれば、通信料金は定額制が適用されないという。「4月1日から、(パケット料金を引き下げた)パケットパック90を新たに導入した。このプランを利用して欲しい」(田村氏)。パケットパック90は月額9450円で60万パケットまで使え、1パケットあたり0.015円という料金プランだ。
メールはPOPおよびIMAPメールに対応し、PC用のメールアドレスを複数登録できる。ただし、メールの着信をリアルタイムに表示するのは、同社が6月から提供する予定のFOMA向けインターネット接続サービス「mopera U」を利用した場合のみとなっている。mopera Uはデータを圧縮して送受信するため、通信時間やパケット数を削減できる点が特徴だ。FOMA回線のほか、ドコモの公衆無線LANサービスやNTT東日本/西日本の「フレッツ・ADSL」「Bフレッツ」でも利用できる。
M1000ではビジネスユースを想定した機能が強化されている。たとえば、MicrosoftのWordやExcel、PowerPoint、PDFなどのファイル閲覧機能を搭載しており、メールの添付ファイルを見ることができる。さらに添付ファイルの付いたメールを転送することもできる。ファイル閲覧機能としてはシャープ製のSH900iなどに搭載されている「ドキュメントビューア」があるが、シャープ製端末では添付ファイルを転送することはできなかった。
「FOMA M1000」。通話用の数字ボタンはなく、液晶に表示された番号を押して操作する
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通信方式はFOMAとGSM/GPRSに対応しており、海外でも通話やテレビ電話、パケット通信、ショートメッセージサービス(SMS)が利用できる。無線LAN(IEEE802.11b)にも対応しており、公衆無線LANスポットで高速データ通信が可能だ。また、BluetoothやUSBを利用してPCとデータの同期を行うことができる。具体的にはMicrosoftのメールソフト「Outlook」のメールやアドレス帳、スケジュールのほか、OperaのブックマークをPCと同期できる。
OSはSymbian 7.0を採用しており、ユーザーは対応アプリケーションをダウンロードして利用できる。さらにドコモではアプリケーション開発キットを無償配布し、企業のアプリ開発を促す。複数のSIerがアプリを開発・提供する予定で、日本IBMやNEC、日本オラクル、富士通ビー・エス・シー、NTTコミュニケーションズなどの名前が挙がっている。
セキュリティ機能としては、マカフィーのウイルススキャンソフト「セキュリティスキャンLight」を搭載する。定義ファイルの更新はユーザーが手動で行う必要があるが、通信料は無料だ。携帯電話に感染するウイルス「Cabir」が日本で見つかったことなどもあり(関連記事)、携帯電話のセキュリティが強化されているわけだ。そのほか、遠隔操作で端末が操作できないようにする遠隔ロック機能や遠隔データ消去機能も備える。
また、音楽再生機能を搭載しており、携帯オーディオプレイヤーの代わりに利用することもできる。「MP3、AAC、WMAなどほとんどの音楽ファイル形式に対応している」(説明員)。著作権保護がされていない楽曲ファイルであれば、PC用サイトからダウンロードして再生することも可能という。
背面の電池の下にFOMAのSIMカードとメモリカードのTransFlashが入っている
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端末の価格についてはオープン価格となる見込み。具体的な価格帯については明らかにしていないが、「高機能な分、FOMA901iシリーズよりも高額になるだろう」(説明員)としている。販売は通常のFOMAと同じく、ドコモショップや量販店などで行う。
M1000のそのほかの主なスペックは以下の通り。
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