ネバダ州ラスベガス発--PlayStation Portable(PSP)は数カ月以内に北米市場で必ず発売になる。
米国時間5日に開かれたConsumer Electronics Show(CES)での記者会見でソニー幹部が言及できたのはここまでだった。この会見は、大きな期待を集める同携帯ゲーム機の北米における発表の場になるとの触れ込みだった。
Sony Computer Entertainment America最高経営責任者(CEO)の平井一夫氏は、PSPの北米における発売時期について3月下旬になる可能性が最も高いとし、価格は後に発表されると述べた。
具体的な情報を期待していた人々は、PSPがさまざまなジャンルの壁を超えた携帯端末であるとする同氏の宣伝文句で我慢するしかなかった。同氏によると、PSPがAppleのiPodや任天堂のGame Boyシリーズなど、それぞれの分野で成功を収めた製品と競合することはないという。
「PSPの登場により、携帯型のエンターテイメントはゲームだけではなくなる。そして、それができる会社はソニーだけだ」と同氏は述べ、さらに「PSPはポータブルエンターテイメントの世界を豹変させる」と付け加えた。
ソニーは昨年、PSPの計画を明らかにし、アナログ音楽でウォークマンが果たしたのと同じ役割を担うデジタルメディア向けの画期的な可能性を秘めたマシンとしてこれを位置づけた。
しかし、同社はPSPの開発や生産で複数の問題に悩まされ、結局北米での発売を延期することになった。また先月日本で発売した際にも20万台しか出荷できなかった。
PSPの日本発売に伴い、供給台数の不足以外にも、1回の充電で4〜6時間しかゲームができないバッテリの問題や、ゲームメーカーからのサポートの問題も明らかになった。日本での発売時にそろったタイトル数はわずか5本だった。
ソニーはPSPにより、任天堂のGame Boyが長年独占してきた競争の厳しい市場に参入する。任天堂は無線ネットワーク機能やタッチスクリーンなどを搭載する高機能携帯ゲーム機、DSを新たに発売し、そのリードを広げようとしている。
任天堂は11月下旬に北米でDSを発売したが、この小型端末は即座に年末商戦の目玉になった。同社は元々楽観的だった売上予測をすぐさま上方修正し、同社の会計年度末である3月31日までに全世界であわせて500万台を売り上げるとの予測を示した。
ソニーの平井氏は講演の大半の時間を費やしてPSPのマルチメディア機能を売り込んだ。PSPでは音楽や映画、それにMemory Stickに記録した動画も再生できる。同氏はソニーが複数の映画/音楽会社に対して、PSP用に開発されたUniversal Media Disc (UMD) という新しい光学メディアを使ったタイトルをリリースするよう働きかけていると述べたが、ただし正式に発表されたものはまだ1つもない。
皮肉なことに、同日ソニーの記者会見に先立って行われたパネルディスカッションでは、PSPが欲張りすぎていない点を高く評価する意見が聞かれた。ゲームソフトメーカー最大手のElectronic Arts(EA)でエグゼクティブプロデューサーを務めるWarren Wallは、PSPは必ずヒット商品になるとEAが考えていると述べ、その理由としてソニーがゲーム機能に重点を置いていることを挙げた。
「どの分野でも、最も成功を収めている製品は、その特徴をはっきりと打ち出しているものだ。iPodなら、それが素晴らしい音楽プレイヤーであることがすぐにわかる。それと同じように、PSPも素晴らしいゲーム機だ。どちらも本来の目的以外でも使えるが、商品として成功するかどうかという点では、これらの機能は重要ではない」(Wall)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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