米AMDは京都で開催中のVLSIシンポジウムにおいて、完全空乏型SOI(FDSOI:Fully-Depleted Silicon-On-Insulator)技術をベースとする「これまでで最高速度」(AMD)のP型金属酸化膜半導体(PMOS:P-channel Metal-Oxide Semiconductor)トランジスタの開発成功について発表した。AMDが6月12日に明らかにしたもの。同トランジスタは、従来品に比べ最大30%高速という。
また同社は前日、歪みシリコンとメタルゲート技術を組み合わせたトランジスタについても明らかにしている。「このトランジスタは、従来の歪みシリコンN型MOS(NMOS)トランジスタに比べ20%〜25%高い性能を発揮できる」(同社)
同社では「現在ほとんどのトランジスタで多結晶シリコンがゲート材料として使われているが、新しいトランジスタはニッケルシリサイドという材料でメタルゲートを作成している」と説明する。トランジスタゲートは、トランジスタを流れる電流のオンとオフを切り替える重要な構成要素である。
「メタルゲートとFDSOIを組み合わせてPMOSトランジスタを構成することで、ゲート伝導率(コンダクタンス)を大幅に向上させるとともに、適切な仕事関数と高いキャリア移動度を持たせることに成功した」(同社)
また同社は、「NMOSトランジスタで歪みシリコンとメタルゲートを組み合わせるという手法においても、ゲート伝導率、仕事関数、キャリア移動度が向上することを確認した」としている。
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