電気料金が予算を上回ってしまいそうなことを察知すると、電子メールによるアラートを送出し、さらには空調を自動調節してくれる・・・自宅に設置された電力メーターがこんな機能を持っていたら、どれだけありがたいことか。
米国ワシントン州とオレゴン州で、このような話がそう遠くない将来に実現しそうだ。両州では、参加を希望した300世帯を対象に、IBMとWhirlpool、エネルギー省が開発した「インテリジェント」電力グリッド技術の試験が実施される。
IBMとエネルギー省は米国時間1月10日、「GridWise」の取り組みに関する研究結果を2件発表した。GridWiseは、クリーンでエネルギー効率のよい電力システムを実現でき、国家にとっても、電気料金を抑えられる消費者にとっても有益だと、両者は述べている。1年間をかけて行われたこれらの研究では、重点課題の1つとして、消費電力量やその時点での料金を消費者に通知することで、電力需要ピーク時などにおける節電を促すというテーマが掲げられていた。
エネルギー省は、管轄下にあるパシフィック・ノースウェスト国立研究所を通じてこのテストに参加し、リアルタイムに通知された利用料金に応じて消費電力量を調節する世帯に謝礼金を出す意向だ。
IBMは声明のなかで、「このテストに参加する消費者は、利用料金をリアルタイムに知ることができ、必要に応じて消費電力量や料金を調節できる」と述べている。「消費者は、1カ月あたりの予算額を設定することができる。このシステムは、電気料金が予算額を上回ってしまいそうなことを検知すると、そのことを消費者に通知する」(IBM)
2つめの研究結果として発表されたのはWhirlpool製の高機能ドライヤー。Searsで販売されるこのドライヤーは、電力網システムが不安定になっていることを察知すると、電熱線の動きを数分間停止させて、消費電力量を抑える機能を備えている。IBMによると、ドライヤーはタンブルモードで動き続けるため、消費者はこの機能が作動しても気付かないと思われるが、消費電力量は確実に抑えられるという。電力網システムは、1日1回くらいの割合で不安定になっているとIBMでは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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