サンフランシスコ発--Apple ComputerのCEO(最高経営責任者)Steve Jobsは米国時間10日、Macworld Expoの会場をいっぱいに埋め尽くすMacファンを前に、初めてのIntelプロセッサ搭載Macとなるハイエンドのラップトップと新しいiMacを発表した。
これらのマシンは、いずれも「Intel Core Duo」チップを搭載している。iMacのほうはサイズも価格も現行モデルと同じだが、Intelチップ搭載により速度が2〜3倍高速化したと、Jobsは述べた。また、新型ラップトップ「MacBook Pro」は2月に発売されるという。
Jobsは、これらの新型Macに加え、ソフトウェアスイート「iLife」の新バージョンも発表した。これには、ビデオ、オーディオ、ブログを使ったウェブサイトの作成を容易にする「iWeb」という新ツールが追加されたほか、ウェブ経由での写真共有やポッドキャストの作成簡略化を狙った新機能も複数追加されている。
Jobsによると、Appleは2006年末までに、Macintoshの全製品にIntelチップを搭載するという。
同氏は、「バニースーツ」(チップ製造施設で従業員が着用する保護スーツ)姿でステージに登場したIntel CEOのPaul Otelliniと並び、「スケジュールは多少早まっている。これらのマシンの速度はすさまじい」と語った。
新しいMacintoshは、JobsがAppleのIntelチップ移行を発表してコンピュータ業界を震撼させてから、わずか7カ月でリリースされた。同社は、これまで数年間にわたってIBMとMotorolaが製造するPowerPCを使い続けてきていた。
Jobsは昨年6月に、今年の6月までにはマシンを出荷すると語っていた。その予定が半年近く早まったことにより、数四半期間売上が減少すると一部で懸念されていた移行が容易になると、複数のアナリストが述べている。
Needham & Companyの金融アナリストCharlie Wolfは、「Appleがアナリストをはじめとする各方面の期待に応えてみせたことには、非常に重要な意味がある。同社は、Intelへの移行で手間取るどころか、これを早めてしまった」と語った。
だが、JobsはAppleの売上が減速しつつあるとの見方を払しょくしようと必死だった。同氏は、Appleが12月末締めの四半期に57億ドルの売上を記録したことを、ごく普通の様子で発表した。同氏によると、Appleの直営小売店舗だけで10億ドルの売上があったという。
これには、ホリデーシーズン中の1400万台をはじめ、2005年中に合計3200万台以上販売されたiPodの売上が含まれる。これらの数字は、アナリストにとって少なくとも新製品と同じインパクトがあった。
「Appleなら、ドッグフードを発表しても株価が5%は上がっていただろう」(Wolf)
新しいiMacには、17インチモニタ搭載の1.83 GHzモデル(価格は1299ドル)と、20インチモニタ搭載の2.0 GHzモデル(同1699ドル)がある。
2月に発売される「MacBook Pro」は、画面サイズが15.4インチで、Apple Remoteリモコンとこれに対応する赤外線センサを装備する。1.67GHzモデル(1999ドル)は512Mバイトのメモリと80Gバイトのハードディスクを搭載する一方、1.83GHzモデルは1Gバイトのメモリを100Gバイトのハードディスクを搭載している。
「言うまでもなく、MacBook Proは史上最速のノートMacだ」(Jobs)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス