Mac開発者のDan Woodは、自分と同じアイデアをApple Computerが思いつくとどうなるかを、身を持って体験した人物だ。
数年前に、Woodが経営する小さな会社であるKarelia Softwareは、「Watson」という消費者向けWebサービスを発表した。その数カ月後、Appleが「Sherlock 3」という名前で、そっくり同じユーティリティをラインアップに加えた。
現在、Woodは、同じことが再び起こるのではないかと心配している。彼の言葉を借りれば、「雷は同じ場所に2度落ちる」かもしれないのだ。
Kareliaは「Sandvox」というプログラムを開発しているところだ。これは、写真や音声など、個人のウェブサイトではあまり見られない高度な機能を使ったリッチなウェブサイトを簡単に公開するためのツールセットである。
「これまで長い間、Macintoshユーザーは、フォトアルバムやブログなどの基本的なコンテンツを、簡単かつ洗練された方法でウェブサイトに公開したいと強く願ってきた」とWoodは声明の中で語る。「これを実現するアプリケーションが他になかったので、Sandvoxを開発したのだ」(Wood)
だが、今週開催されるMacworld Expoで、AppleがiWebと呼ばれるプログラムを発表するといわれている。このうわさを聞いたWoodは、Appleも同じことを考えているのではないかと懸念し始めた。そのため、Woodは、Sandvoxの公開ベータ版を米国時間9日に発表することに決めた。
「iWebが実際に開発されて、今週その話題でもちきりになったときに、われわれは『等外馬』にはなりたくないと考えた」とWoodはインタビューで述べ、「iWebがリリースされても、あるいはただの発表だけだったとしても、1日でも前に発表しておくことが重要だ」とも付け加えた。
今回、Appleにより自分のアイデアが拝借されたとはWoodは考えていない。
「Appleは大きな市場や消費者をじっくり観察して、そこからアイデアを得たというのが現実だと思う。この時点では偶然の一致だろう。だが、いずれにしても不運な偶然の一致であることは確かだ」とWood。
2004年、Appleは、Arlo Roseのプログラム「Konfabulator」にそっくりだということで、Tigerの「Dashboard」機能が大きく非難された。
もちろん、Woodにしてみれば、最終的にはWatsonが良い結果をもたらしてくれたことも確かだ。Woodは、この技術をSun Microsystemsに売却し、しかも同社で仕事をすることになったからだ。同じように、RoseもKonfabulatorをYahooに売却している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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