蚊の駆除を専門とするバイオテクノロジー企業が、無線技術とコンピュータを利用した駆虫ビジネスを始めている。
American Biophysicsの新CEOであるDevin Hoseaによると、同社では米国家庭の裏庭から刺咬性昆虫を駆除する「Mosquito Magnet」というシステムを販売し、堅調な売上を上げているという。なお、American Biophysicsはロードアイランド州ノースキングストンに本拠を置く小規模な民間企業だ。
簡単に説明すると、このマグネットは、二酸化炭素と水分を含む体臭に似た臭いを発散して、吸血性の虫を誘引するというものだ。マグネットの前を通り過ぎた昆虫は内部に吸い込まれ、掃除機のような装置で窒息させられる。
AmBioと呼ばれることの多い同社は現在、コンピュータ化された防虫システムである「スマートな」蚊取りネットを擁して、私的/公的な医療機関に売り込みをかけようと考えている。2006年第1四半期中には、マグネットを集めて大きなフェンス状にしたものを管理する先進的なソフトウェアを完成させ、802.11b無線技術を用いて中央ネットワークと通信できるようにしたいと、AmBioの幹部は期待している。
またHoseaは、同システムのこうした害虫駆除法を活用すれば、ゴルフコースやリゾート施設に虫を寄せ付けないようにできるばかりか、発展途上国におけるマラリアの発生を抑制することさえ可能になると述べた。
「ある機関が、何匹の蚊を捕獲し、どの程度のプロパンガスが残留したのかを調べるために、当社の技術をPCパネルとともにコンピュータネットワーク/メッシュネットワークに応用していた。蚊を除去するのに人はそこまで努力するのかと目を見張る思いがしたもので、ここから本製品の着想を得たのである」とHoseaは言う。Hoseaは以前、人工知能を研究するNational Science Foundationのフェローを務めていた。
「当社は、コンピュータ技術および無線ネットワーク技術をすぐれた蚊取り機と合体させて、人々の居住環境に蚊が入り込むのを防ぐ高性能な防御壁を生み出した」(Hosea)
蚊取り機は昔から、小型機器市場でも人気の高い分野だった。アトランタやボストンといった虫に刺されやすい気候の都市で生活する人々は、虫除けスプレーや丸めた新聞紙、蚊帳、さらには「Bugzooka」などの虫吸い取り機に至るまで、わらにもすがる思いでさまざまな防虫対策を施している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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