MSNの戦略レポートでは、Googleが広告入りで提供するGmailの成功についても言及され、サブスクリプション方式は適切でないと書かれている。Microsoftは、Googleのウェブメールサービスが成功すれば、利用者1人あたりの年間売上高は20ドルを上回り、「サブスクリプションサービスが市場に入り込む余地はない」と予測している。
このレポートでは、低価格の基本サービスには、ノンターゲット広告が適している、と指摘する。
「高コストなサービス(これらのサービスの多くは現在、利益を生み出している)は、検索広告の精度向上につながるユーザー情報を入手することで、その費用をまかなっている」とMicrosoftのレポートには書かれている。
同社は、これらのレポートが本物であることを正式に認めているが、詳しいコメントは控えている。Microsoftのある情報筋は、これがのレポートが新しいビジネスモデルを検討するための社内のブレインストーミングで使われたものであり、これに関する決定は何も行われていないと、述べている。
MSNのレポートには、論争を呼んでいるアドウェアメーカーのClariaに関する記述もある。これによると、Clariaは、ユーザーの行動に基づいた広告を表示するため、従来のウェブ広告より6〜20倍も効率よく広告を配信しているという。2005年の初め頃には、MicrosoftがClariaの買収交渉を進めているとの憶測が流れたが、これに関する発表は何もされていない。
Microsoftは、「AdCenter」と呼ばれるターゲット広告用エンジンの開発を進めている。当初「Moonshot」の開発コードで呼ばれていた同製品は、検索内容と検索者のプロフィールを組み合わせることが可能だ。AdCenterはまずキーワードベースの検索広告で利用されるが、同社では今後これを幅広く展開していこうとしている。
メディア関連事業における収支の最高責任者であるJoanne Bradfordは、先週行われたインタビューのなかで、「時代はキーワードだ。将来的には、ディスプレイ広告やビデオなど、あらゆる広告でキーワードが必要になる」と語っている。
Gatesや最高技術責任者(CTO)のRay OzzieをはじめとするMicrosoftのトップ幹部らも、社内にネット広告の売上拡大を呼びかけてきた。Microsoftは、広告モデルのサービス2件の概要を既に明らかにしている。消費者向けのWindows Liveと、小規模企業をターゲットにしたOffice Liveだ。
Goldman SachsのアナリストRick Sherlundによると、Microsoftは広告とサブスクリプションの両方をはじめ、新モデルを幅広く検討する必要があるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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