Xbox 360にiPod互換機能--マイクロソフトの独断にアップルはどう出る?

Daniel Terdiman(CNET News.com)2005年11月07日 10時23分

 北米では今月(日本では12月10日)発売予定のXbox 360で「Project Gotham Racing 3」をプレイするつもりなら、同ゲームのサウンドトラックの代わりに、自分のiPodに入れてある楽曲をBGMに使うといいかもしれない。

 マイクロソフトは公式なコメントとして、Xbox 360はどのMP3プレイヤーとも互換性があり、それらに収められた曲をストリーミング再生できるとしている。しかし、先月サンフランシスコで行われた同ゲーム機の先行公開時には、Microsoftの幹部らがXbox 360にiPodとの互換性がある点を強調していた。

 Xboxデジタル/エンターテインメント事業部エグゼクティブプロデューサーのJeff HenshawはCNET News.comに対し、「iPodを接続すると、Xbox 360がそれを自動的に検知する。Xboxの画面上で、アーチストやアルバム、ジャンル、またはプレイリストから曲を呼び出すことができる」と語った。

 しかし、iPodがデジタル著作権管理ソフトウェアを搭載しているため、AppleのiTunes Music Storeで購入した楽曲をXbox 360にストリーミングすることはできないと、Henshawは述べた。

 これには理由がある。Microsoftは、Appleのサポートを受けないままiPodとの接続機能を実装したからだ。

 Microsoftの先端技術グループで製品部門のマネージャを務めるScott Hensonは、「iPodとの接続に関して、Appleと正式な関係を結んでいるわけではない。Xbox 360は、USBマスストレージのような標準プロトコルを利用して、iPodのサポートを実現している」と主張する。

 Henshawによると、MicrosoftはAppleとの提携を試み、Xbox 360のiPod互換機能を正式なものにしようとしたが、しかしAppleはその提案を拒否したという。

 「そこでわれわれは、自分たちで可能なサポート機能をすべて開発した」(Henshaw)

 Microsoftは、Xbox 360を北米では11月22日にリリースする予定だ。

 Appleはこれまで、自社の製品をiPodに接続させたいと考えるベンダー各社に対し、Microsoftの提案とは全く異なるアプローチをとってきている。同社は、いわゆる「Made for iPod」プログラムを通じて、iPodの「ドックコネクタ」用接続インターフェースを搭載する周辺機器メーカーからロイヤリティを徴収しようとしている。

 Appleからは、この記事に関するコメントを得られなかった。

 Xbox 360のユーザーは、同ゲーム機に搭載される高速USBポート経由で、自分のiPodを接続できるようになる。ユーザーはXboxのメニューに表示される曲名、アーティスト、ジャンルなどをスクロールして楽曲を選び、それをゲームのバックグラウンドで再生できるようになる。また、iPodに収められた写真をストリーミングし、Xbox上でスライドショー再生することも可能になる。

 Henshawによると、Xbox 360は標準的なMP3およびAACファイルをiPodからストリーム再生できるようになるが、ただし iTunes Music Store(iTMS)で購入した楽曲は再生できず、Xboxのメニュー上では曲名がグレイで表示されるという。

 同氏はまた、Microsoftがごく標準的なUBSポートを使ってXbox 360をiPodに接続することで、Appleのドックコネクタに対するコントロールをすり抜けようとしていると述べた。「われわれが利用するのは、AppleがiPodに同梱するUBSケーブルだけだ」(Henshaw)

 iPodに保存された楽曲をXbox 360でストリーム再生可能にするために、Microsoftでは何らかのリバースエンジニアリングを行う必要があったかどうかという問いに対して、Henshawはコメントしようとしなかった。

 しかし、「iPodcopy」の作者であるNeil Bensonによると、iPodとの接続機能を持たせることはMicrosoftが認めている以上に難しいという。「iPodcopy」はiPodに保存された楽曲などをパソコンへコピーできるようにするソフトウェアだ。

 「難しいのは、正しいファイルを見つけだすことだ」とBensonは言う。「iPodでは、音楽ファイルが複数のディレクトリにランダムに分散されており、しかもファイル名が別のものに変更されてしまうので、ファイルを見つけるのが本当に難しい」(Benson)。iPodには、ユーザーがメニューから楽曲を選べるように、音楽ファイルの置かれた位置とその名前をクロスリファレンスするデータベースが搭載されている。Microsoftはこのデータベースを動かすために簡単なソフトウェアを含めなければならなかっただろうと、同氏は述べた。

 「Microsoftはそのデータベースを読んで、iPod上にある楽曲のリストを取得し、それをユーザーに見せなければならない。そして、ユーザーが再生したい曲を選ぶと、今度はこのデータベースを使って曲を見つけだし、それを再生する」(Benson)

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