ビデオデッキなんてもう使えないと言っても、イギリスの発明家James Larssonは取り合わないだろう。
Larssonは、時代遅れになりつつあるビデオデッキを活用するためのアイデアを持っている。同氏は現在、ビデオデッキに内蔵されているタイマーを利用して、スケジュール通りに猫に餌をやる自動給餌器を考案しているのだ。
Larssonは米Make誌で、タイマー機能がまだ利用できる古いビデオデッキを、飼い主が不在でもペットに時間どおり餌をやる自動給餌器へ改造する方法を紹介した。
「ビデオデッキが不用になったり故障しがちになったりしても、タイマー機能とモーターは使える場合が多いという点が、このアイデアの肝だ。画像がおかしくなったのでビデオデッキを廃棄するという人は多いが、こうしたデッキにも利用可能な機能はたくさん残っている。わたしは、これをなんとか活用できないかと考えた」(Larsson)
古いビデオデッキの有効な再利用法を考えつく人はあまりいないが、1つだけ確実に言えることがある。すなわち、かつては広く使われていたビデオデッキは、レコードプレイヤーやカセットテーププレイヤー、(これまただいぶ古いが)8トラックデッキといった機器がたどったのと同じ道を、ゆっくりと歩んでいるということだ。
ビデオデッキやVHSフォーマットが消えゆく定めにあることは以前から予測されており、最近の売上もこうした予測を裏付けるものとなっている。
ビデオレンタルチェーンBlockbusterのPR部門マネージャHolly Vershumによれば、VHSテープのレンタル収入は2003年には全体の31.7%を占めていたが、2005年第2四半期は5.5%まで落ち込んだという。これに比べ、同社のDVDレンタル収入は、57.3%から84.1%へ急増した。
VHSが廃れるのは避けられない運命だとしても、一朝一夕にそうした状況が起こるわけではない。例えばLPにしても、収集品としての市場価値は今も健在だ。また、「メカマニア」の間では稀少品を所有していることは「クール」だと考えられており、いまだにベータビデオデッキを使用している者もいる。
サンフランシスコのアウトレットショップStreetlight Recordsを経営するAndrew Shadgettは、「(VHSが)死に体のフォーマットだなんて、とんでもない。今でも月に数百本の売上があるくらいだ」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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