オリンパスと東京大学は10月28日、「インスパイア型ユビキタスシステム」と呼ぶ概念の研究を共同で進めていると発表した。研究成果の第一弾として、複数のウェアラブルセンサーやGPSで捉えた位置情報にもとづき、TPOに合わせた情報をウェアラブルディスプレイに表示する試作システムを開発した。
インスパイア型ユビキタスシステムとは、オリンパスと東京大学によると、「個人のライフスタイルやTPO、さらにそれらから推定される心の状態に応じ、本人が意識していない有益な『気付き情報』をタイムリーに提供する」システムのこと。オリンパスは、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻の保坂寛氏と協力し、研究を進める。
試作したシステムは、東大が開発した腕運動計測装置および足圧計測シューズと、オリンパスが開発した発話/咀嚼センサー、屋内外センサーを組み合わせ、GPSからのデータも利用して位置や運動状態などの情報を検出する。こうした情報を共同開発の「ユビキタス情報処理ソフト」に与え、個人のTPO推定、TPOに合った適切な情報の取得、ディスプレイに表示する画像を生成する。生成した画像は、オリンパス製ウェアラブルディスプレイ「モバイルEye-Trek」を介してユーザーに伝える。
今後、オリンパスと東大は同試作機を使って心身相関の研究を進める。さらに、研究ネットワークを広げ、行動パターンから嗜好・情感を推定する技術やコンテンツを生成する技術を開発する。2012年をめどに、インスパイア型ユビキタスサービスとして実用化を目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」