東芝は10月8日まで幕張メッセで開催されているCEATEC JAPAN 2005において、次世代プロセッサ「Cell」を実際に駆動させるデモンストレーションを披露している。
Cellの高いメディア処理性能を用いて、MPEG-2の映像データを合計48ストリーム同時再生する様子や、デジタル放送1チャンネルとアナログ放送3チャンネルを同時録画する様子を紹介した。また、プロセッサの「Cell Broadband Engine」やCellと外部の画像・音声入出力機器をつなぐインターフェースチップの「Super Companion Chip」のほか、Cellを実装した高速配線基盤、それらが格納されるケースなども併せて展示し、来場者の注目を集めていた。
Cellの本体であるプロセッサ「Cell Broadband Engine」(左)とインターフェースチップの「Super Companion Chip」(右) |
特に好評だったのは、人物の顔にペイントを施す「デジタルかがみ」という技術を紹介するイベント。これは、椅子に座ったユーザーの顔をポリゴンに分割して3D CGに変換、瞬時に個性的なイメージのフェイスペイントやヘアースタイルなどを施し、映像として合成するというもの。静止画ならさほど難しくもなさそうだが、これを動画映像で処理し、なおかつ人物の動きにも追従する様子は圧巻だった。まさに「メディアに強いCell」という前評判通りの実力、といったところだ。
同社では、豊富なIOインターフェースを実装したハードウェアプラットフォームにLinuxもしくはITRONのOSをインストールした「Cellリファレンスセット」を、来年の4月以降に販売開始すると発表している。なお、これにはEclipseをベースにした統合環境や複数の放送を同時に受信、録画、再生するフレームワークなどが同梱される。
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