英Splashpowerは10月6日、幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2005」において、モバイル機器向けワイヤレス充電器「スプラッシュパッド」を展示するとともに、セミナーを開催した。
スプラッシュパワーは、パッドの上にモバイル機器を置くだけで充電ができるというワイヤレス充電器だ。今回展示されたのは、複数のモバイル機器の同時充電が可能な「マルチ・スプラッシュパッド」と、
充電には電磁波を利用しており、この考え方自体は古くからある。今回の製品ではさらに実用的な機能として、モバイル機器に取り付けられる受信側モジュールの小型化や異物の検出機能、パッド上で横方向に均一な磁界を発生させる機能などを備えた。受信側のモジュールは、機器メーカーがバッテリーやモバイル機器に容易に組み込めるよう、薄く小型で形状に自由度のある電子部品として提供される。複数の機器を同時に充電する場合、機器は必要とする電圧・電力に差があってもよく、合計で6Wまで対応可能だ。そして、充電に対応しない異物がパッドに乗った場合は、それを検出して出力を止め異物の加熱などを防止する。
Splashpower共同創設者 CEOのLily Cheng氏
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「自宅やオフィスの配線を美しくしたいという女性などから興味を持たれている。パッドは組み込みも可能で、自動車やホテルの家具に組み込むことで、自宅以外でも手軽に充電ができるようになる。モバイル機器メーカーでは環境が充実しないと組み込みが難しいことはわかっているので、私たちはアフターマーケット向けのアダプタを作った」と、同社の共同創設者であり最高経営責任者(CEO)のLily Cheng氏は言う。すでに自動車会社4社と評価契約を結び、年内にも何らかの形での発表ができそうだということだ。
価格はマルチ・スプラッシュパッドが150ドルから200ドル、シングル・スプラッシュパッドが30ドルから40ドル、アダプタが15ドルから20ドルになるのではないかという。「モバイル機器の消費する電力は年々増えている。充電池の性能は改善されており、省電力化なども進められているが、必要とされる電力との差は開く一方だ。スプラッシュパッドはこれまであまり重視されていなかった『充電をする』ということに光を当てた製品だ」とSplashpowerの日本支社であるスプラッシュパワー・リミテッド 社外取締役の鶴見道昭氏は言う。同社は携帯電話メーカーやデジタルカメラメーカーなどのモバイル機器メーカーに加えて、自動車メーカーやホテルといった充電器を組み込む側もあわせ、広くパートナーを募ってビジネスを展開したいとしている。
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