任天堂は、9月16日より開催した東京ゲームショーで「ゲームの人口拡大に向けて」をテーマに基調講演を行なった。
任天堂 代表取締役社長 岩田 聡氏は、「ファミコンから20年間順調に成長・発展してきた。単に画質などを豪華にしていけばいいという人もいるが、同じ構想で30年間続いたビジネスはない」と、2年前の基調講演を振り返る。「ゆっくり死んでいくのを待っているわけにはいかない」と危機感をもっていち早くゲーム人口の拡大に取り組んできたことをアピールした。
ゲーム人口の拡大に対する対策としては、(1)一度ゲームから離れてしまった人を呼び戻す、(2)ゲームをしてこなかった人を呼び込む、(3)熟練者にもゲーム初心者にも楽しめるという、3つの方向性があると説明。スーパーマリオなどのなつかしいファミコンシリーズの復活やGAME BOY MICROのファミコンバージョンなどもその戦略のひとつ。発売日には幅広い年齢層が店頭に集まったとし、手応えを感じていると話す。
任天堂は、NINTENDO DSのヒットコンテンツ「nintendogs」や「脳を鍛える大人のDSトレーニング」に代表するように、画面を直接クリックする、喋る、さわって楽しむなどの新コンセプト「Touch Generations」でも大きな成功を収めている。これは、(3)の層に向けたもので、ソフトウェアを楽しむ上で前提知識や長い時間を必要とせず、初心者から熟練者まで誰もが楽しめるコンセプトが受けたものと説明。ソフトウェアの商品寿命が短くなっている中で、これらのソフトは発売から14週経ってから最高出荷台数を記録しているほか、ソフトウェアと本体を一緒に買っていく層も高いという。
今後はセットアップを一切することなく、ネットワークを使って楽しめる「Wi-Fi connection」をコンセプトとしたタイトルも10月に正式発表すると表明。「マリオカートDS」「動物の森」を予定していると明らかにした。
携帯型のハードウェア、ソフトウェアともに好調さが続いている任天堂だが、設置型のハードウェアにも期待が高まる。「携帯型も設置型も任天堂のミッションは変わらず、いかにゲーム人口を拡大し市場を発展させていくことだ」(岩田氏)として、そのコンセプトの象徴と言えそうな、開発中の次世代ゲーム機「Revolution」(開発コードネーム)のコントローラを初公開した。
公開したリモコンは、テレビのリモコンのような長細いもので、ワイヤレスだ。センサーが取り付けられており、テレビ画面のどこをさしているのか、画面とリモコンとの距離やひねりなども検出できるとしている。
デモでは、リモコンを使ったイメージ映像を公開。リモコンを包丁にたとえて料理をするシーン、おじいちゃんと孫がリモコンを竿に見立ててつりをするシーン、1人でで2つのリモコンを持ち、音楽を演奏するシーンなどがあり、従来にない新しいリモコンであることをアピールした。
「最近のコントローラは、ボタンが多いなど複雑。とても自分はできないと怖がる人も多い」として、新たなゲーム人口の拡大に向け、これまでゲームに触れてこなかった人にも向けて片手で利用できるカンタンなものを考案したと説明した。また、新たな層だけでなく、従来の熟練層にも満足してもらうことも必要とした上で、拡張コネクタに接続するヌンチャク型のリモコンも同梱すると発表。「探検ゲームなどがよりリアルに実現できる。たとえばゼルダの伝説がどう変わるか」(岩田氏)と期待させるコメントを残した。従来のコントローラも、アダプタによって利用できるとしている。
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