Apple Computerが、Mac miniを30日間「試用」できるキャンペーンを開始した。この実質本位で余分な機能をそぎ落としたコンピュータが気に入らない場合は、マシンを返品すれば全額返金を受けられる。
このキャンペーンは、米国時間31日から10月31日までAppleのオンラインストアでのみ実施される。Appleへの商品の返品は、通常14日以内に行う必要がある。また、同社が全額返金に応じるのは、不良品を除き、未使用かつ未開封のマシンに限られている。
「新しいMac miniは必ず気に入っていただけると思います。30日間無料でお試しください。お気に召さなければお引き取りいたします。ご安心ください」(Appleサイト)
ただし、顧客には返品時の送料負担という条件が付いている。
Endpoint Technologies Associates社長で技術アナリストのRoger Kayによると、このキャンペーンは、1月の発売時の熱気が冷めてからのMac miniの売れ行きに、Appleが十分満足していない可能性を示すものだという。また、深夜に放送されるテレビショッピングのようなうさん臭さも感じると同氏は述べている。同氏はまた、Mac miniの売上が落ち込んでいるとの話も耳にするという。
「売上の伸びが失速しているとの懸念から、勢いを盛り返すために今回のようなキャンペーンが用意されたのだと思う」(Kay)
Appleは、今回のお試しキャンペーンやMac miniの売れ行きに関してコメントを控えている。だが、先月miniの新バージョンを発表した際、同社幹部らの表情は明るかった。AppleのバイスプレジデントDavid Moodyは、「Mac関連ビジネス全体が非常に好調だ」と語っていた。
同社は、Mac miniを、1月に定価499ドルで発売した。キーボードやマウス、モニタが付属しない同製品は発表当時、高額商品だけを重視してきた同社による大衆向けデスクトップコンピュータ分野への本格進出として大歓迎された(Mac miniの次に安いeMacは799ドルからとなっている)。
Mac Miniの発売について、iPodの大成功を梃子にMacintoshの普及を進めるための巧妙なやり方だとする意見は多い。そして、このやり方はある程度の成果を収めているようだ。Kayによると、デスクトップコンピュータ市場におけるAppleのシェアは、第2四半期に世界全体で2.1%に達し、1年前に比べてほぼ倍増したという。
ただし、Mac miniの訴求力についての結果が出るのはこれからだ。同製品は、価格に敏感な顧客層向けに用意されながら、GatewayやHewlett-Packardなどから出ている同様の構成を持つPCよりも約100ドル以上高い。またMac miniは競合他社のモデルよりも小型で一段とスタイリッシュだが、使われている部品などはほぼ同じものであることから、低価格の製品を求める顧客のなかでスタイルを重視する者がどれほど存在するかという点も、現時点でははっきりしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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