ディーアンドエムホールディングス(D&M)は8月26日、MP3プレイヤー「Rioシリーズ」の販売を9月末で終了するとともに、全世界的に同事業から撤退すると発表した。なお、サポートや修理は継続する。
D&Mは2003年4月にRioシリーズの販売を開始した。BCNの調査によれば2005年1〜6月の携帯オーディオプレイヤー市場において12.6%のシェアを持っており、アップル(37.6%)に次ぐ2位の座にある。
しかしソニーや松下電器産業をはじめとして多くの企業が携帯オーディオプレイヤー市場に参入したことで製品の価格競争が激しくなり、同社の経営を圧迫していた。2006年3月期第1四半期には、RIO事業の営業損失が9億6000万円となり、同社の営業損失は前期比46.3%悪化の10億4300億円にまで膨らんだ。
D&Mでは今後、オーディオコンポやスピーカーなどのプレミアムAV事業に経営資源を集中させる考えで、7月にはRio事業の知的財産および技術資産の一部を半導体メーカーのSigmaTelに売却していた。なお、開発部員の多くはすでにSigmaTelに移籍している。
同社はRio事業の解散に伴い、2006年3月期第2四半期に約52億円の特別損失を計上する。また、2006年3月期中間期の連結業績予想を下方修正しており、売上高は前回予想から17億円減の392億円(前年同期比4.2%減)、営業損失は2億円悪化の5億円(同2億円改善)、経常損失は2億円悪化の8億円(同156億円改善)、純損益は12億3000万円改善し880億円(同1836億円改善)と予想している。
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