ロンドンで先週末に開かれた「OpenTech」カンファレンスを訪れたCory Doctorowは、そこで1990時代のビデオデッキを思わせる大きな筐体に先進的な機能を装備した製品を見つけて、ぼう然となった。
この製品は、英国アスコットの新興企業Promise TVが開発したデジタルビデオレコーダー(DVR)のプロトタイプだった。そのDVRは、英国で放送されるデジタルテレビ番組をほぼ1週間分録画できるというものだった。
ポップカルチャー専門のブログ「BoingBoing」の編集者でもあり、EFF(Electronic Frontier Foundation)の欧州担当支援コーディネーターでもあるDoctorowには、Promise TVが来月発表予定のこのDVRで新しい分野を開拓したと感じられた。
Promise TVで開発リーダーを務めるDominic Ludlamは、この製品について、依頼主がBBCであること、合計で3.2テラバイトにもなるハードディスクなど、すべて汎用のPC部品を使って組み立てられていることを明らかにした。
この製品は、週が変わるごとに新しい番組が古い番組を上書きするが、別の記憶装置に番組をアーカイブすることも可能になっている。
「テレビ番組をすべて録画するというこの方法により、視聴者は、録画/視聴したい番組を予め選択しなくてもよくなる」とLudlamは説明する。「これは、テレビの新しい視聴方法の到来を告げるものだ。視聴時間のピークや、チャネル争いもなくなる」(Ludlam)
もちろん、すべての人が、Doctorowと同様の印象を受けたわけではない。SunTrust Robinson Humphrey Capital MarketsのリサーチアナリストであるChris Rowenは、Promise TVについて、個人用録画装置TiVoの機能を強化しただけと考えている。
「Promise TVの製品は、全番組の録画後にインデックス付けをするという方法で、高度な一覧機能を持っていない点を補っている」とRowenは述べる。「この方法は、チャネル数が80もあるような環境では機能しない。インデックス付けという点においては、目新しい物は何もない」(Rowen)
しかし、Doctorowは、自分の目で見たことに圧倒され続けている。「つい最近まで、15時間というTiVoの録画時間は革新的だった。そして、今30時間、60時間、さらには90時間の番組録画の可能性を考える所にまで、技術は到達している。まるでテレビ版のWayback Machineだ」(Doctorow)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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