PlayStation 3のデモが国内初披露--リアルな映像描写を追求 - (page 2)

永井美智子(編集部)2005年07月21日 22時50分

 PS3の課題は、高い処理性能をいかにゲームクリエイターに使いこなしてもらうかにある。つまり、クリエイターに対するサポートをいかに行うかがPS3の発展の鍵になるわけだ。そこでSCEはPS3の評価機の数を増やしてクリエイターに貸し出すとともに、ソフトウェア開発キットの充実を図る。

 PS3の評価機は現在、世界で約450台をゲームソフト会社に貸し出している。今後はこの生産台数を増やし、10月には3000台を提供する。また、現在の評価機に搭載されているCELLの動作周波数は2.4GHzだが、ゲームソフト会社がPS3の発売に合わせて2006年春に市場に投入する予定のソフトを完成させる12月頃には3.2GHzのCELLを搭載させる。大きさも現在はサーバ並みだが、12月にはラックマウント型に変える方針だ。

12月よりゲームソフト企業に貸し出される予定のPS3評価機。3.2GHzのCELLやGPUの「RSX」、Blu-ray/DVD/CDのコンボドライブなどを搭載し、実機に近いスペックを備える

 開発キットに関しては、開発ツールに強みをもつ企業との提携を進めていく。プログラミングツール開発会社の英SN Systemsを買収するほか、物理演算ツールを開発する米AGEIAやアイルランドのHavok、ゲーム制作用エンジンを開発する米Epic Gamesとそれぞれ戦略的ライセンス契約を結んだ。SCEはこれらの提携会社の製品をPS3のソフトウェア開発キットとしてゲームソフト会社に提供する。

 会場ではこのほか、バンダイとコーエーが開発中のゲームを使ってデモを行った。ただしいずれも具体的な製品リリースの時期は明らかにしていない。

バンダイは人気シリーズ「ガンダム」のデモを行った。このデモではCELLプロセッサに搭載された8つのコアのうち1つしか利用していないといい、「CELLのすべての性能を使えばすごい世界が開ける」と バンダイ常務取締役ビデオゲームカンパニープレジデントの鵜之澤伸氏は期待を寄せた

 また、国内では初めてPS3のモックも展示されていた。なお、発売価格などの情報は明らかにされなかった。

PS3とコントローラーのモック。本体はシルバー、黒、白の3色がある

PS3本体の側面。前面にはUSBポートが4つ搭載されている(左)。背面にはUSBポートが2つ、イーサネット接続口が3つ、HDMI接続口が2つ、 光デジタル出力とアナログのAVマルチ出力が1つずつあり、ACアダプタが接続されるようになっている(右)

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