携帯電話の画面に表示される細かい文字を目を細めながら読んでいる人は多いが、米スタンフォード大学の研究者は、それらの文字を格段に読みやすくする方法を思いついた。その方法とは、単語を1つずつ読むというものだ。
「Rapid Serial Visual Presentation(RSVP)」と呼ばれるこの技術は、画面の中心に1秒弱間隔で単語を1つずつ大きく表示することにより、携帯電話の小型画面の欠点を補っている。その結果、大変細かい文字で書かれた文章を画面をスクロールさせながら読んで行く従来の表示方法に比べ、各単語が格段に読みやすくなっている。
BuddyBuzzと呼ばれる同ソフトのデモ版では、ユーザーがスクロールの速さを自由に設定できる。そして、最高速度に設定すると、一般人が音読可能な速さをはるかに凌ぐ速さで文字が切り替わる。しかし、頭の中で音読せずに文字が読める人は、実に毎分1000語の読解が可能であるため、画面をスクロールしながら読む従来の方法に比べはるかに速く読むことが可能だ。
しかも、このシステムは構文にもうまく対応している。固有名詞を前置詞よりも長く表示し、コンマやピリオドでは自然に一時停止する。1つのコンテンツが表示し終わると一時停止するが、いずれそこに企業広告が入る可能性もある。
11日に、IBM主催の「New Paradigms in Using Computers」カンファレンスで同システムのデモを行なったスタンフォード大の研究者らは、この製品が全ての読み物に最適というわけではないことを認めている。
同プロジェクトに取り組む学部生の研究専門家、Dean Ecklesは、「(同システムは)あらゆる種類のコンテンツに適しているわけではない」とした上で、「(特に)学術論文には向いてない」と付け加えた。
Ecklesによると、この(単語を1つずつ読む)読み方は、ブログへの投稿文やニュース記事といった短い文章を読むのに適しているという。実際、同ソフトのテスト版はまさにそのようなコンテンツ向けに設計されている。このテスト版は、Javaが使用可能な多くの携帯電話でダウンロード可能になっている。このデモ版ソフトでは、News.comの発行者であるCNET NetworksやReutersのニュース記事に加え、ブログの投稿文も読めるようになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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