Advanced Micro Devices(AMD)が供給する最新のモバイル端末用プロセッサの用途について、コンピュータメーカー2社が異なる戦略を取ろうとしている。
Hewlett-Packard(HP)とAcerは米国時間22日、最新のAMD製「Turion」チップを搭載したノートPCを発表した。64ビットプロセッサのTurionは、デスクトップ用「Athlon 64」チップの省電力版である。
HPやAcerなどのハードウェアメーカーは、製品を市場投入する際、Turionチップの採用をセールスポイントとして挙げている。
しかし、HPがTurionプロセッサ搭載機を中小企業向けと位置付けているのに対し、Acerは、デザインとスピードを優先する製品にTurionプロセッサを採用している。
AcerのFerrari 4000では、光沢のある黒いカーボンファイバー素材が筐体に使用されている。筐体側面にはスポーツカーのような赤い縁取りを加え、ふたの部分にはFerrariのエンブレムが取り付けられている。Ferrari 4000は、15インチのディスプレイを装備し、レンダリング性能の向上のためにATI Mobility Radeon X700をグラフィックスチップセットとして採用している。ハードディスクの容量は100Gバイトなので、たくさんのデジタル写真を保存することが可能だ。また、デュアルレイヤー対応DVD Super Multiドライブを搭載しているので、映画鑑賞にも向いている。価格は1999ドルからとなっている。
Acerとは対照的に、HPは、ノートPCのCompaq nx6125を1000ドルを切る価格で発売する。Compaq nx6125は、過去140日間でHPが発表した11台目のビジネス用ノートPCである。HPは、Intel搭載機だけを販売するDellとの差別化を図る目的で、AMD Turionベースのシステムを短期間のうちに投入してきた。Compaq nx6125では、グラフィック性能の向上のためATI Radeon Xpress200Mを採用している。
HPでは、同社の動きを、急成長するノートPC市場の動向に合わせたものと説明する。
HPの依頼で調査会社Harris Interactiveが先ごろ実施した中小企業に関する調査によると、調査対象となった中小企業の36%が、2006年に日常業務用にノートPCを導入する予定だと回答しているという。また、全回答者の36%が、規模の大きな企業に対抗する上で、ノートPCが有効な手段となると考えている。
また、調査会社IDCの最近の調査では、中小企業市場におけるノートPCの2005年第1四半期の出荷台数は、前年同期と比べて24%増加しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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