[Update:7日10時26分] サンフランシスコ発--Apple Computerは、長年にわたってIntelチップ搭載PCからMacへのスイッチを人々に勧めてきたが、今度は自らがIntelチップに乗り換えることになった。
同社CEOのSteve Jobsは米国時間6日、Appleが今後2年をかけて、Macに搭載するプロセッサを徐々にIntel製チップに移行していくことを発表した。この動きは、CNET News.comが最初に報じたスケジュールと合致している。
Jobsは同日、Appleが当地で毎年開くWorldwide Developer Conference(WWDC)に参加したMacプログラマを前に基調講演を行った。同氏によるプロセッサ切り替えの発表は、この基調講演の中心となった。今年はおよそ3800人の参加者が見込まれているWWDDは、Appleが例年新製品を発表する場となっている。
Jobsは基調講演のなかで、実はAppleがMac OS Xの開発に着手した5年前から、すべてのバージョンをIntelプロセッサでも動かせるようにしていたことを打ち明けた。
「Mac OS Xには、実は5年前から人には言えない秘密があった」(Jobs)
Macの誕生以来、Motorola (現在のFreescale Semiconductor)およびIBMのプロセッサを採用してきたAppleにとって、Intelチップへの切り替えは世紀の大転換となる。しかし、同社がアーキテクチャを変更するのはこれが初めてではない。1990年代には、Motorolaの68000系チップから、MotorolaとIBMが共同で開発したPowerPCに、MacのCPUを切り替えていた。
Jobsはまた、Mac OS 9からMac OS Xへの移行作業には非常に大きな労力を要したと述べた。同氏によると、Unixベースのシステムへの移行は大転換だったという。「脳の移植手術のようだった」(Jobs)
この基調講演で、JobsはMac OS X「Tiger」がIntelチップ搭載マシン上で動く様子を見せるデモを行った。「朝からずっとこのインテルシステムを走らせている」(Jobs)
AppleがPowerPCからIntelチップへの切り替えを決断した理由を尋ねられたJobsは、過去の問題とPowerPCのロードマップの2点を挙げた。同氏は、強力なラップトップに必要とされる低消費電力と高性能という2つの要件を、PowerPCでは満たせないと指摘した。
Jobsは2年前、同じWWDCの基調講演でG5プロセッサを搭載した初めてのPower Macを発表したが、その際に同氏は12カ月以内に3GHzの(チップを搭載した)PowerMacを発売すると聴衆の開発者らに約束していた。しかし、それほど高速なマシンはまだ実現されていない。「われわれはずっと(3GHzのPowerMacを)発売できずにいる」(Jobs)。加えて、AppleはいまだにG5チップを積んだラップトップも発売していないが、Jobsはこれについて「多くの人々が待ち望んでいると思う」ものだと述べた。
Jobsは、今後数カ月で状況が好転するとは思えなかったとし、IBMの描いたPowerPCのロードマップでは性能/消費電力比がIntelの同等のチップと比較して約5分の1しか達成できないと説明した。
Jobsによると、Appleは今後数年間に多数の製品を投入していく計画を思い描いているが、「PowerPCの今後のロードマップでは、どうすればそれらを実現できるか分からない」という。
Jobsはさらに、OS関連で必要な作業は大半が終了しているが、ソフトウェア開発者は自らの手がけるアプリケーションをIntelベースのマシンに対応させる作業が多少必要になってくると付け加えた。
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