NICTと東芝、家電機能をホームネットワーク上で統合する基盤ソフトを開発

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT、長尾 真理事長)と、東芝(岡村 正社長)は、より高度な生活支援サービス実現を目指し、ネットワーク接続された異種家電機器をシームレスに統合する機能協調ネットワーク基盤ソフトウェア「ゆかりコア」を開発したと発表した。

 家庭環境の多様化によって、さまざまな家電機器が導入されているが、今後、各家電機器をホームネットワークで結び、それぞれがもつ機能を連携させることによる高度な生活支援サービスの実現が期待されている。

 このためには、各家電機器を相互連携させるための規格統一の必要となるが、現状では、洗濯機・冷蔵庫等の家電機器分野における規格「ECHONET」のように、カテゴリごとの規格統一はあるが、家電機器分野の壁を超えた大きな枠組みでの規格統一は進んでいない状態だった。

 NICTでは、今回、各家電機器の機能表現手法とその役割を簡単なXMLベースのサービスで表現し、各家電機器を相互連携させるためのシステムを自動構築する(機能協調)基盤ソフトウェア「ゆかりコア」を開発し、その有能性を実証した。

 主な特徴は、(1)家電機器を相互連携させるための規格に依存することなく、家電機器の機能を情報処理の観点で統一的に表現できる、(2)利用者が求める機能を指定すると、ホームネットワーク上に分散している利用可能な家電機器類を自動検索し、発見した機器がもつ個々の機能を組み合わせる――の2点。

 (1)の手法が(2)の技術の基礎となり、家電機器の機能利用が簡単化され、柔軟性のある家電機器相互連携システムの開発が可能となった。同成果は、NICTけいはんな情報通信オープンラボ「ゆかりプロジェクト」における東芝との共同研究に基づくもの。

 今後は、NICTけいはんな情報通信融合センター内の実験設備「ユビキタスホーム」に「ゆかりコア」技術を導入し、家電機器の機能連携アプリケーションの充実化を進める予定。また、安全・安心な暮らしに役立ち、ホームネットワーク化が期待される健康機器やロボット機器への展開を進める。さらに、「ゆかりコア」技術の浸透を産学官連携体制で進めていく予定。

情報通信研究機構
東芝
「ゆかりプロジェクト」

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