Apple Computerが、Blu-ray Discの支持を表明し、次世代DVDフォーマットの仕様策定をめぐる争いに加わった。
Samsungの主催により、2カ月に1度のペースで行われるBlu-ray Disc Associationの会合が、米国時間10日に韓国で開催された。会合終了後、Blu-ray Disc Associationは、メンバーにAppleが加わったことを発表した。同会合には、ソニー、Dell、Hewlett-Packard(HP)などが参加する。Appleは、自社の高品位/DVDオーサリング関連の技術を、Blu-ray Disc仕様の開発に役立てていく。Blu-ray Discは、現行DVD規格の上位互換技術で、最大50Gバイトのデータを記録できる。現行のDVD規格は、最大8.5Gバイトの記録容量しかない。
大容量のデータを保存できることは、HD DVD規格と比較した際にBlu-ray Discの方が有利とされる点の1つだ。HD DVDも現行DVDの上位互換となる規格で、ディスクの記録容量は最大30Gバイト。HD DVD規格の支持者らは、プレイヤーとディスクの製造コストがBlu-ray Disc規格に比べて安いと主張する。次世代DVDの規格については、電子機器メーカーやPCメーカーのほか、映画スタジオまでもが検討を行っており、Blu-ray DiscとHD DVDが有力候補とされている。Blu-ray DiscとHD DVD双方の規格には互換性がない。
DVD業界は数十億ドル規模にも成長しており、業界各社の幹部らは現行のDVD規格に手を加えることに慎重になっている。しかし今後高品位ビデオの市場が成長するのは明らかだ。そして、高品位ビデオを記録するには、現行DVDより大きな記録容量をもつデータ記憶媒体が求められる。
Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsは声明のなかで、「驚くような高品位コンテンツをすでに一般ユーザーが作っている」とし、高品位DVDにコンテンツを書き込む手段をユーザーが「待ち望んでいる」と付け加えた。
Hewlett-Packard(HP)のオプティカルストレージ担当ディレクターJosh Petersonによると、AppleはBlu-ray Discフォーマットのプロモーションとマーケティングにも参加するという。
「この分野で彼らのマーケティング能力や創造性を活用したい」(Peterson)
Petersonは、Blu-ray Disc製品は早ければ2005年末、また遅くとも来年初めまでに登場する予定だと述べ、スケジュールに変更はないとした。Blu-ray Disc陣営が現在、重点的に取り組んでいるのはコピー防止技術の検討で、Advanced Access Content System(AACS)をはじめ、多数の提案が行われているという。なお、AACSは、HD DVDも検討している技術である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」