NTTは2月18日、人の体表面を伝送経路とするヒューマンエリア・ネットワーク技術「レッドタクトン(RedTacton)」を利用した、PCカードサイズのプロトタイプを開発したと発表した。
同社はユビキタスコンピューティング時代の到来に向けてこの技術の研究開発に取り組んでいた。今回、フォトニック電界センサーを採用したことで、最大10Mbpsの通信速度で体の任意の2点間での双方向通信を実現するプロトタイプが完成した。
レッドタクトンは、体の表面電界による通信技術だ。触れる・握る・座る・歩く・踏むといった人間の自然な動作をトリガーとして、身につけた携帯端末と環境に埋め込まれたコンピュータなどとの通信を可能とする。
導電体・誘電体であれば伝送媒体の素材は選ばないため、人間だけでなく動物や水、金属などをレッドタクトンの伝送路として利用することが可能だ。靴を通じて床に組み込まれた端末に通信したり、机や壁などを利用して低コストでの通信環境形成を実現したりできる。また、伝送路が体表面であるため、混雑した空間での利用でも無線技術のような通信速度低下が発生しないという特徴もある。
応用分野としては、利用者の情報を受信してその状態や趣向に合わせたり、設定を変更したりする「ワントゥワンサービス」や「パーソナライズ」のほか、自然な行動をトリガーとする情報機器の直感的な操作などがある。また、利用者の情報を認証に利用し、履歴を記録することでのセキュリティへの応用も考えられる。
同社では、レッドタクトンの使用環境に左右されない通信の確実性の検証や実用性の向上を目的とした実験を、外部の企業や団体と共同で行う予定があるとしている。実験期間は2005年の4月から9月を予定、プロトタイプ機器の貸し出しは行われるが、保守費用はパートナー負担となる。
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