ネバダ州ラスベガス発--DivXNetworksは、2つの重要な契約をまとめたことを発表し、また映画会社がインターネット経由で作品を販売できるようにする技術を公開した。
同社は米国時間6日、「DivX 6」という同社の圧縮技術の新バージョンを先行公開した。このソフトウェアを利用すると、標準的なDVDディスクに高品位画質の映画をまるごと1本保存することが可能になるという。3月にリリースされるDivX 6は、年内にも100ドル前後で販売されるDVDプレイヤーに搭載されることになりそうだ。
当地で開催中のConsumer Electronics Show(CES)で同社が発表したところによると、Apex Digitalが米国で販売するDVDプレイヤー全機種にDivXの圧縮技術を搭載することになったという。Apexは知名度こそ低いものの、DVDプレイヤーの販売では最大手の1つになっており、同社が出した低価格製品はTargetのような量販チェーンで販売されている。ApexはまたDVDレコーダ市場にも参入している。
DivXでテクノロジーアーキテクトを務めるEric Grabによると、Apexのある携帯DVDプレイヤーにはDivX製のソフトウェアがすでに搭載されているが、家庭向けの据え置き型モデルにはまだ採用されていないという。
また、DivXは同日、Samsung Ventures Americaからの投資を受け入れたことも発表したが、ただし金額については明らかにしていない。
DivXの圧縮技術は、Microsoftをはじめとする大企業のソフトウェアと競合するもの。DivXの最高業務責任者(COO)Kevin Hellによると、現在欧州で販売されているDVDプレイヤーの40%にはDivX製のソフトウェアが搭載されているという。さらに同社は、全世界であわせて2000万台のDVDプレイヤーと1億6000万台のPCに、DivX製のソフトウェアが搭載されていると主張している(ハードウェアメーカーは、ソフトウェアの対価としてDivXにライセンス料を支払っている)。
同社は最近、映画会社やコンテンツプロバイダに働きかけて、オンライン販売用などのコンテンツの圧縮に自社の技術を採用させようとしている。同社社長のShani Ghanemは昨年10月、2005年の上半期には同社の技術を採用したビデオ・オンデマンドサービスが登場すると発言していたが、同氏は今回、新しく発表できることは何もないと述べた。「映画会社との契約はまだ成立していないが、この点についてはあまり心配していない」(Hell)
DivXは過去数年間、同社の技術が違法なファイル交換に利用されていると主張する映画会社の怒りを買っていた。
しかし、DivX 6は同社と映画会社との契約成立に役立つものとなりそうだ。Hellによると、DivX 6は現行製品のDivX 5よりも優れた圧縮機能を持つため、標準的な赤色レーザーを使うDVDディスクに高品位画質の映画をまるごと1本収められるという。高品位画質の映画タイトルを記録するには通常複数枚のディスクが必要になる。また、DivX 6で圧縮をかけると、ふつうのDVDディスクに標準画質の映画を8本近く収めることが可能になる。
また、DivX 6にはサブタイトルやプレビュー、コマンドメニューを挿入できる機能も含まれているため、個人ユーザーの録ったビデオもより本格的なDVDに仕上げられるほか、ペイパービューの映画タイトルでは現時点でDVDでしか実現できていないような機能を持たせることも可能になる。
さらにDivX Connectという別の新機能を使えば、PC--DVDプレイヤー間でDivXファイルをやり取りできるようになることから、たとえば映画会社がブロードバンド経由でPCに送信した映画タイトルを、ユーザー側がDVDやCDのディスクに保存し、DVDプレイヤーで再生する、といった用途も考えられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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