米国時間6日からラスベガスで開催される今年のConsumer Electronics Show(CES)では、高品位映像技術やノートPC用新型チップ、そしてPlayStation Portableなどが目玉となりそうだ。
CESを主催する業界団体の米家電協会(CEA)の広報担当、Jenny Millerは、「昨年は、ほぼ全社がプラズマテレビを展示していた。しかし今年は、高品位(HD)映像用の技術がリビングルームの中だけではなく、さらに別の領域にも進出するだろう」と語る。
たとえばソニーは、HD録画が可能なデジタルビデオカメラや、HD映像を流せる新しいMemory Stickなど、数多くの新製品のデモを行なう。その他の企業も、HD関連製品の発表を行なう。
ブロードバンドネットワーク経由でのデジタルビデオサービスも注目を集めるだろう。SBC CommunicationsのCEO(最高経営責任者)Edward Whitacre Jr.は、ブロードバンド上で映像配信を行なう計画の詳細を明らかにすると見られている。
Millerは「全ての物がデジタル化の方向に進化している」と述べ、さらに「今やあらゆる場所、あらゆる物の中にデジタルが溢れている」と付け加えた。
かつてハイテク分野最大のイベントだったComdex見本市の勢いが衰えた今、CESは事実上、唯一の大規模なハイテク技術展示会となっている。今年12〜14万人の入場者が見込まれるCESは、今後家電業界だけでなく、コンピュータ、エンターテインメント、ネットワーキング、ブロードバンドなどの業界においても影響力を発揮していくと見られている。
今年のCESは1月6日から9日まで開催される。開催期間中には、各企業の幹部らが最近のトレンドや、いかにしてビジネスチャンスをつかむかについて語る予定だ。CESでは、これまでにもビデオデッキやCD、DVDなど、多くの人気製品が発表されている。
米国の小売販売の動向を調査しているNPD Techworldのアナリスト、Stephen Bakerは、いずれHDの時代が来ることを認めつつも、メーカー各社は消費者に自社製品を買わせたければ、過去2年間のデジタル化についての議論を実行に移さなければならない、と主張する。
Bakerは、「すでにデジタルエンターテインメント戦略を立てているのであれば、その計画を今年実行しなくてはならない」と述べ、さらに「2005年の年末までにこれらの高性能製品の多くが手頃な価格になり、また消費者は新製品を購入するための理由が必要になる」と付け加えた。
ソニーは音楽、映画、ゲーム、家電など、幅広い分野でビジネスを展開しているため、デジタル化への移行から得るものも多い。ただし、これまでは全てのビジネスを同じ計画の下で展開するのは困難であった。しかし、その状況は変わりつつあるようだ。同社は最近、MP3オーディオフォーマットをネイティブサポートしたデジタルオーディオプレイヤーを発表した。同社はそれまで、著作権問題を理由にMP3フォーマットのサポートを拒んできた。ソニーのこの方針転換は、同社の音楽ビジネスが家電ビジネスにプラスに作用する問題に対し態度を軟化させた初のケースであり、今後も同様の動きが起こる可能性を示唆しているといえるだろう。
ソニーはこれらの他にも、複数のビデオ関連製品を展示する。その1つが、1月に発売予定の、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)チップを搭載した70型リアプロジェクションテレビQualia 006だ。また、Samsungとの合弁会社が製造した液晶パネルを搭載する液晶テレビも展示し、さらに2005年に発売するBlu-ray Disc製品も初披露する。
ゲーム愛好家たちは5日に行なわれる記者会見を心待ちにしていることだろう。ソニーはその会見で、携帯型ゲーム機兼マルチメディアプレイヤーのPlayStation Portable(PSP)を披露する(日本では12月中旬に発売されている)。同社は、第1四半期中に北米と欧州でPSPを発売する予定で、恐らくCESで発売日や価格といった情報を発表することになるだろう、と述べていた。
一方、ビデオゲーム愛好家の間では、毎年CESの冒頭で基調演説を行なっているMicrosoftのBill Gates会長が、今年も5日夜に行なう講演の中でMicrosoftの家庭用ゲーム機Xboxの後継機を披露するのではないか、との憶測が流れていた。しかし、調査会社Directions on MicrosoftのMatt Rosoffなど大半のアナリストは、Gatesは3月に開催されるGame Developers Conference(GDC)でXboxの後継機に関する発表を行なう可能性が高いと見ている。実際、Gatesは2000年にGDCで現在のXboxに関する計画を発表していた。
Rosoffは、「(Microsoftが)1月にXboxの後継機についての多くの詳細情報を発表したら驚きだ」と述べ、さらに次のように続けた。「既存のXboxでも、今後ソフトを販売できる余地は大いにある。既存のプラットフォームに対する消費者の関心を長く引き伸ばせば伸ばすほど、同社のゲームビジネスにはプラスとなる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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