松下電器産業は12月16日、大阪府茨木市にある松下プラズマディスプレイ第2工場の設備を増強し、プラズマディスプレイパネル(PDP)の生産体制を月産15万台に拡張したと発表した。当初予定より4カ月前倒し、世界的に需要が伸びているPDP市場でのシェア拡大を図る考えだ。
松下プラズマディスプレイ第2工場はこれまで月産4万台の生産能力を持っていたが、12月に同6万台の生産能力を持つ第2期生産ラインを立ち上げた。茨木市にある第1工場と上海工場と合わせると、生産能力が月産15万台となる。
PDPは大型の薄型テレビとして、デジタル放送の始まった日本や北米、欧州で人気が高まっている。松下電器の調査によれば、世界のPDP需要は2003年から2007年にかけて年率70%で成長し、2003年に150万台規模であった市場が2007年には860万台にまで拡大するという。2005年には世界テレビ総需要のうちPDPの占める割合が数量ベースで10%を超えるとのことだ。
松下電器のPDP市場のシェアは12月現在、国内量販店で39.9%と好調だ。さらに販売高の50〜60%を占める系列販売店でもPDPの売れ行きが良く、約半数の店舗が前年に比べて10%以上売り上げが伸びているとのいう。これにより、10月、11月には電子情報技術産業協会(JEITA)の出荷統計ベースでシェアが40%を超えたとしている。また、米国の量販店でも12月に27.6%のシェアを獲得したという。
市場では販売価格の下落が続いており、利益面での影響が懸念されている。パナソニックAVCネットワークス社副社長兼松下プラズマディスプレイ社長の森田研氏によれば年率25%減のペースで価格が下がっているという。2005年も同程度の価格下落が予想されるというが、「PDPは部品点数が多く、ここを工夫することで対応できる」(森田氏)とした。
2005年11月には兵庫県尼崎市に建設中の第3工場が稼働する予定で、2006年には年間生産能力を330万台に、2006年度には同480万台の体制にしていく。松下プラズマディスプレイのプラズマパネルのシェアは2003年で18.3%と富士通日立プラズマディスプレイ、Samsungに次ぐ3位(米DisplaySearch調べ)だが、パネルの外販を行うことで「世界生産シェアで40%を目指す」(松下電器産業 役員 兼 パナソニックAVCネットワークス社上席副社長の上田勉氏)としている。
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