携帯端末(PDA)メーカーのPalmOne(本社:カリフォルニア州ミルピータス)は、同社を有名にしたオペレーティングシステム(OS)以外の選択肢採用を検討している。
CNET News.comが入手した情報によると、同社は自社製品に採用する可能性のあるPalm OS以外のOSとして、Microsoft製のものと、少なくとも1種類のLinuxについて評価テストを進めているという。
一連のテストに詳しい情報筋によると、PalmOneではしばらくの間Palm OSを補完するためのOS探しを密かに進めているという。同社はさらに、カスタムバージョンのLinux OSを自社製品に採用するため、このOSの提供元となる提携先を探していると、この取り組みに詳しい情報筋は述べている。
これらのテストは、Palm OSを保有し、PalmOneを最大の顧客とするPalmSourceにとって大きな打撃につながる可能性がある。現在、PalmOneの製品はすべてPalm OSを採用している。
Dorado Capitalというサンディエゴのヘッジファンドで働く、Brian Blairというアナリストは、「PalmOneは、いまや単なるハードウェアメーカーなのだから、PalmSourceのOS、MicrosoftのOS、そしてRIMのプラットフォームで動く製品を設計するのが賢明であり、理想的な環境ではそうしていたはずだ」と述べている。
現在、PalmOneの製品には、PalmSourceが供給するPalm OSだけが使われている。PalmSourceは1年ほど前にPalmOneと分かれた元のソフトウェア子会社だ。ハードウェアを製造するPalmOneとソフトウェアを開発するPalmSourceの分割は、両社それぞれが新しいチャンスと市場を獲得できるようにすることが狙いだった。
アナリストらは、PalmOneが他のOSをサポートするのは当然だとし、同社が代替製品を検討していなかったら分割の大きな理由の1つが意味を持たなくなる、と付け加えている。
Needham & Co.のアナリストCharles Wolfは、PalmOneがMicrosoft製OSで動くTreoを出すのは「事実上の確定事項」だとするレポートを米国時間1日に発表した。ただし、同氏はリリーススケジュールについては一切言及していない。
PalmSourceとMicrosoftの関係者は、この件に関するコメントを控えている。
PalmOneは、これまでPalm OSを採用した製品だけをリリースしてきたが、今後の対応については態度を保留してきた。同社は、年間4000万ドルを下限として台数単位でPalmSourceに著作権料を支払っており、この契約が2006年まで残っている。しかし、これは独占契約ではないため、ほかのOSを採用した製品を販売することも可能となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」