日立は、携帯電話などのモバイル機器への組み込みに対応した次世代デジタル署名技術を確立。電力消費量や電磁波などからの情報漏えいに対する実装の安全性を証明した。従来の署名技術よりも安全性が高く、省メモリ・低消費電力で高速な技術だ。
モバイル機器におけるデジタル署名は、実行時間や電力消費量、漏えい電磁波などの物理情報を利用して内部の情報を調べる攻撃手法に事前対処するために、アルゴリズムの安全性だけではなく、実装技術における安全性が求められている。一般に、両方の安全を兼ね備えた暗号技術は、高負荷で端末の速度低下や、メモリ使用量・消費電力の増大といった問題を抱えている。
これを受けて、日立はモバイル機器への実装が可能で安全性の高いデジタル署名技術「wNAF」の開発に取り組んできた。
同社のwNAF技術は、アプリケーションの状態に応じて処理速度や使用メモリなどを常に最適な状態にカスタマイズできるという特徴をもっている。理論的な検証を行った結果、変換後の表現に分布の偏りがなくなり、最適状態選択のための指標を確立することで導入を容易にするなどの成果を得た。日立は、この成果は物理情報からモバイル機器の秘密情報を調べる攻撃を回避する機能を備えた、省メモリ・低消費電力かつ高速なデジタル署名の実装技術の実現に道を拓くものであるとしている。
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