DVD Forum運営委員会が先週、読み取り専用HD-DVD(High-Definition DVD)の物理仕様バージョン1.0を承認した。また、MicrosoftのWindows Media Video 9の内部で使用されているVC-9技術を含む3種類のビデオコード技術を、再生機器用のHD-DVDビデオ規格の必須技術として対応するようメーカーに要求することを決定した。
この決定は、デジタルエンターテイメント分野におけるMicrosoftの取り組みを後押しするとともに、東芝とNECが開発したHD-DVD技術を前進させる。HD DVDフォーマットは高解像度DVDや高密度DVDとも呼ばれ、青色レーザー技術を利用することにより、赤色レーザーを用いる通常のDVDよりも多くの情報を光学ディスクに書き込める特徴がある。同技術は、ソニーなどが支持するフォーマットであるBlu-rayや、中国で開発された独自フォーマットEVDと競合している。
DVD Forumで標準として承認されたことにより、Microsoftでは、パソコン分野以外のパートナー企業にコーデック(圧縮および解凍のアルゴリズム)を販売する際の信頼性が高まったことになる。
Microsoftは昨年9月、VC-9を米映画テレビ技術者協会(Society of Motion Picture and Television Engineers:SMPTE)の標準候補として提出した。これは長年、自社技術をプロプライエタリとしてきた同社にとっては、初めての大きな方針変更だった。
この提出によって、MicrosoftはMPEG-2の後継候補となり得る有力な技術を送り出すことになった。MPEG-2は衛星放送やケーブルテレビ、ビデオ編集システム、DVDの基礎となっている圧縮技術だ。もしMicrosoftの技術が承認されれば、セットトップボックスからプロ用ビデオ編集機器、衛星通信、家電まで、幅広い分野での自社の技術がデファクト・スタンダードになると、同社では期待している。
DVD Forum運営委員会では、VC-9コーデックに加え、MPEG-2とMPEG-4 AVC(H.264)もHD-DVDビデオ仕様の必須条件であるとしている。これら3つのコーデックはすべて、ライセンス条件の更新を含むいくつかの条件付きで今年2月に同Forumから仮承認を受けていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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