ニューヨークに住む、自称「ワイヤレス&新生メディアアーティスト」のYury Gitmanは、iBookとWi-Fiアンテナを自転車に装備し、行く先々で無料の高速ワイヤレスインターネットアクセスを利用できるようにした。
「私は、移動しながらインターネットを体感することにとても興味がある」というGitmanは、自分の自転車をMagicbikeと呼んでいる。「世間は今、モバイルやワイヤレスに夢中だが、まだ自転車でインターネットに接続することは視野に入っていないようだ。しかし、将来はみんなが利用するようになるだろう」(Gitman)
Gitmanが自転車に装備するアンテナは、普通のノートパソコンでは弱すぎてキャッチできないWi-Fiネットワークの信号を検知する。同氏はアンテナをMagicbike全体に張り巡らしており、またホットスポットから外れた場所では、携帯電話ネットワークを利用してネットに接続している。
自動車のなかからインターネットにワイヤレス接続したいという要求は高まりつつあり、飛行機のなかでもワイヤレス接続サービスを提供する計画もある。
なぜ自転車に乗る人がインターネットに接続する必要があるのかという質問に対し、Gitmanは「考えてみる価値がある面白い質問だ」と述べた。同氏はこれに関して2つの可能性を挙げたが、その1つはネットをナビゲーションに利用することで、もう1つはほかの自転車に乗る人とコミュニケーションをとること--Magicbike用語で「バイク-to-バイクコミュニケーション」--だという。
Gitmanは、ニューヨーク大学のインタラクティブ・テレコミュニケーション・プログラムで修士号を取得した後、1年かけてMagicbikeのプロトタイプを作り、それ以降も改造を重ねてきた。同氏は、ラップトップコンピュータから取り出した中古の壊れやすい部品ではなく、堅牢な部品を使ってMagicbikeを大量生産したいと考えているが、ただしMagicbikeに対するそれだけの需要を見つけられずにいる。
ネットワークを装備した自転車そのものは新しいアイディアではないが、インターネットアクセスが装備されるようになったのはごく最近のことだ。
他の事例を注意深く見守ってきたGitmanは、ネットワークを装備した自転車が最近増えてきていると語る。彼の調査によると、1983年に製造されたネットワーク自転車は1台だったが、その後、1990年代半ばには2台、2003年には7台、そして今年に入ってからは12台のネットワーク自転車が製造されたという。
Gitmanが挙げた最古の例は、「Behemoth」または「Big Electronic Human-Energized Machine, Only Too Heavy」として知られる物だ。ごく最近では、デンマークでネットワーク化された、足踏み式の「三輪車タクシー」が登場している。
「ネットワーク自転車に取り組んでいる大部分の人は、今後ワイヤレス自転車が増え、2006年には30台以上になると予測している。われわれは、時代を先取りしているということだ」(Gitman)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス