Apple Computerは、同社の携帯型音楽プレーヤー「iPod」のインターフェースに関して 特許を取得しようとしている。
Appleは25日(米国時間)に公開された特許申請20040055446号のなかで、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)と「そのGUIのマルチメディアプレーヤーでの利用方法」を記している。この特許申請は階層構造のGUIに言及しており、発明者としてAppleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsと、Jeffrey L. Robbin、Timothy Waskoの3人の名が並んでいる。
Appleは、CD-RWドライブの需要を過小評価したことからデジタル音楽分野で出遅れたが、この遅れを取り戻すため、「SoundJam」というMP3プレーヤーソフトの権利を2000年はじめに買い取った。RobbinはこのSoundJamを開発した中心的な存在だった。RobbinはSoundJam買収にともないAppleに移籍、後には同社のiTunes音楽ダウンロードサービス開発で重要な役割を担った。WaskoはJobsと共にNextで働いていたが、JobsがAppleの暫定CEO(後にCEO)のポストについた後で、同社に復帰した。
Appleが、他社にインターフェースを真似させないようにするのは、今回が初めてではない。
同社は1980年代に、LisaとMacintoshに使用されていたユーザーインターフェースの一部を、当時Windows 1.0の開発に取り組んでいたMicrosoftにライセンス提供することに同意した。しかしMicrosoftがWindows 2.0や後の3.0で追加機能を増やしたところ、Appleは1988年に、LisaおよびMacintoshプラットフォームで使われている複数の要素の使用停止を要求し、MicrosoftとHewlett-Packard(HP)を相手取った著作権侵害の訴訟を起こした。なお、HPは当時NewWaveというAppleライクなWindows用スキンを開発していた。
Appleの主張は、HPがNewWaveで使用していたごみ箱とファイルフォルダのアイコンについて以外、全て認められなかった。Appleは米最高裁に上訴したが、のちにこれも棄却された。HPはかなり昔にNewWaveを打ち切っている。
Appleは当時、コンピュータのインターフェースにデスクトップメタファーを使うことに関し、すべての知的所有権を手に入れようとしているとの批評を受けていた。さらに、自社の研究所でGUIが発明されたことで有名なXeroxがAppleを相手取り、GUIの全ての著作権はXeroxにあるとする訴訟を起こしたことから、事態はいっそう複雑になった。
どうやらAppleは、著作権法に頼った失敗から学び、ユーザーインターフェース保護に特許法を用いるようになったようだ。
「特許件は著作権よりも強力だ」とMasonsという法律事務所のアソシエイトソリシターであるStruan Robertsonは述べて、さらに「特許で保護できるようなものを作った場合、ぜひ特許取得を薦めたいところだ」と付け加えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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