書き換え可能DVDの主要なフォーマットで、さらに高速なディスクが市場に投入されようとしているが、この新しいディスクは旧型のドライブではデータを記録できない設計になっている。
一部の消費者にとっては頭痛のタネになりそうなこの問題は、最大4倍速(4X)でデータを記録できる新しいDVD-RWディスクが、等倍(1X)もしくは倍速(2X)のドライブと互換性がないというもの。書き換え可能ディスクでは、データを記録しても、その古い情報の上から新しいデータを記録できる。
ただし、この問題はパイオニアなどの企業が支持する標準化団体、DVD Forumの採用するいわゆる「-」フォーマットに限られている。Philips ElectronicsやHewlett-Packard(HP)といったライバルの「+」フォーマット陣営によると、同フォーマットの高速書き換え可能ディスクは、初期モデルのDVD+RW書き込みドライブでも問題ないという。
DVD Forumはメディアメーカー各社に対し、高速型ディスクには互換性の問題を消費者に警告するラベルを貼付するよう呼びかけている。同フォーラムによると、新しい4倍速ディスクに古いドライブで書き込もうとすると、ディスクがドライブからイジェクトされたり、そのディスク上のデータが損傷する場合があるという。
Pioneer Electronics USAのAndy Parsons(高度製品開発担当副社長)によると、ディスクの非互換性は、高速記録に対応させるべくレーザー光に対する感度を高めた書き換え可能メディアの製造が必要になったことに起因するという。このため初期のドライバは、低速ではデータを確実に書き込むことができないと、Parsonsは説明している。
Parsonsによると、4倍速には「(古い低速なドライブとの)互換性確保ができなかった。このような問題は今回限りにしたいと思っている」という。
また、DVDの各ライバル団体の間では、メディアの互換性問題がライトワンスメディアにも広がるのかどうかを巡って、論争が繰り広げられている。Philipsの光ストレージ事業部で市販製品ディレクターを務めるFrank Simonisによると、高速型「-R」メディアにも旧型ドライブとの互換性の問題が発生する徴候が見られるという。
だが、Parsonsは、高速ライトワンスディスクでは「問題は発生しないはずだ」という。
調査会社NPD Groupのアナリスト、Stephen Bakerは、初期の「-」対応書き換え可能ドライブを所有するユーザーは、低速の書き換え可能「-」メディアが徐々に減少する傾向にあるため、新しいマシンにアップグレードする必要があるかもしれないとしている。だが、同氏によると、書き換え可能ディスクの互換性に関するこの問題は、ほとんどの記録型DVDドライブ利用者には影響しないという。「ほとんどのユーザーはライトワンスのディスクを利用している。書き換え可能なディスクで何か問題があったとしても、大きな騒ぎにはならない」(Baker)
DVD Forumでは、書き換え可能なディスクの標準を昨年11月に更新し、4倍速での動作を可能にしていた。この動作速度をサポートするディスクはまもなく市場に出回るはずだと、Parsonsは述べている。また、これに対応するドライブのほうはすでに販売されている。
Pioneerのドライブはこの互換性の問題の影響を受ける。同社はDVR-A06という製品を販売しているが、このドライブでは4倍速対応のメディアをサポートする予定はない。
ソニーにも、DRU-510AやDRX-510ULなどの型番の製品を含めて、新たに登場するメディアが認識できないドライブがある。同社では、自社のウェブサイトにこの互換性の問題に関する告知を掲載する意向だと、同社のRobert DeMoulin(光学ストレージ製品担当マーケティングマネジャー)は述べている。「-」フォーマットの書き換え可能ディスクは「あまり人気があるとはいえない」と同氏は述べ、さらに「これがそれほど大きな問題になるとは思わない」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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