ソニーの米国法人は25日(米国時間)、同社の新しい携帯型ゲーム機「PlayStation Portable (PSP)」の北米地域での発売が、2005年以降になることを明らかにした。これにより、売上にとって非常に重要な今年のクリスマス商戦に間に合わないことになる。
ソニーの幹部は、ゲーム開発元や小売業者を集めて開いたフェニックスでのイベントの席上で、当初今年の年末までに全世界での発売を予定していたPSPが、北米では2005年第1四半期まで店頭に並ばない、と語った。ただし、日本では今年の終わりまでに発売する予定だという。
PlayStation 2でゲーム機市場の首位を走るソニーは、昨年夏にPSPを発表。同社幹部は、この携帯型ゲーム機を「21世紀のウォークマン」と謳い、過去10年以上にわたって携帯型ゲーム機市場を支配してきた任天堂のゲームボーイに対抗する、高級な代替マシンと位置づけていた。PSPには3Dのグラフィック表示機能、ステレオサウンド機能、そして1.8Gバイトのデータを収められる小型ディスクを使う新たな光学メディアドライブが搭載される予定。
ソニーの広報担当、Teresa Weaverは、PSPの発売延期について、ゲームメーカー各社に十分な時間を与え、この新システム向けに強力なゲームタイトルを開発してもらうためだとしている。「我々は、この新型ポータブルエンターテイメントプラットフォーム向けにコンテンツを最適化するための十分な時間を、ゲーム開発者や販売会社に与えたい」(Weaver)
アナリストによると、PSPの発売が米国の年末商戦に間に合わなければ、ソニーがゲームボーイの独占状態に対抗することは困難になるという。任天堂は、高度なデュアルスクリーンを搭載したゲームボーイの新バージョン、ゲームボーイDSを今年後半にリリースする予定だ。American Technology Researchのアナリスト、P.J. McNealyは、「PSPの発売の遅れで、任天堂にとっては、今年のクリスマスに北米市場で素晴らしいチャンスが生まれるかもしれない」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」