アリゾナ州スコッツデール発--「Demo」は年に1度開かれる、新しいビジネスソフトを専門にしたお披露目の場だが、今年のDemo 2004カンファレンスは、技術革新の健在ぶりを示す製品が続々と登場し、幸先の良いスタートを切った。
最も印象的な製品の1つは、どのPCでもMicrosoft Exchangeのクライアントに変えてしまう「Xkey」という製品だ。KeyComputingという会社がつくるこのUSBキーは、自宅や支店のコンピュータに接続するだけで、Outlookアプリケーションの安全な複製として使えるので、わざわざラップトップPCを持ち運ぶ必要がなくなる。Xkeyは、接続するPCから隔離されており、プロセッサ、データベース、アプリケーションサーバ、Exchangeクライアント、セキュリティ、ストレージ、そしてSSL VPNの各機能を本体に搭載している。出荷は5月の予定で、256Mバイトのフラッシュメモリ搭載で300ドルで販売される。
KeyComputingのDanny Schrieberは、同社がLotus Notes Xkeyを投入することも明かしたが、それ以降のアプリケーションの詳細については明らかにしなかった。
FlipStartミニPC
Microsoftの共同創設者で億万長者の投資家、Paul Allenは、お気に入りのプロジェクトである「FlipStart」パーソナルコンピュータを披露した。Allenによると、同氏の会社は携帯端末、ラップトップPC、MP3プレイヤー、デジカメ、携帯電話といった各種デバイスを1つの製品に集約しようという考えで、FlipStartの開発を2年前に始めたという。
「我々は、いろいろな携帯機器の使いやすさとPCの高い性能を兼ね備え、ポケットやカバンの中に収まるデバイスの開発を目指していた。自分では、デジカメ、ワイヤレス機能、マイク、スピーカーなどが揃った“PC版のスイスアーミーナイフ”に喩えるのが好きだ。しかも、これは極めて小さい」(Allen)
FlipStartは、親指で操作するホイール、キーボード、タッチパッド、そしてオプションのタッチスクリーンやマウスボタンなど、多数のナビゲーションツールを用意している。同デバイスは450グラムにも満たない重さだが、1024×600ピクセルの解像度でHDTVにも対応する5.6インチ画面を搭載している。Allenによると、グラフィックスの表示は驚異的だが、内蔵バッテリによる駆動時間はわずか2時間にとどまるという。最終バージョンには、ワイヤレスモデムと、フルサイズのキーボードや周辺機器用のドッキングステーションなどのアクセサリが付属する。
1GHzのプロセッサ、30GバイトHDD、そしてWi-Fi(802.11)とBluetoothの両ワイヤレス機能を搭載したものがFlipStartの基本コンフィギュレーションで、Allenによると、今年末に1200〜1500ドルの価格で発売になるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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