IDEインターフェイスで接続するディスクドライブには、差別的な、人を傷つける言葉遣いが含まれているとして、米国のある組織がこの問題に何らかの対応策を講じるようメーカー各社に要求した。
ディスクドライブが「政治的に正しいこと」("political correctness")を追求する人物から槍玉に挙げられている。カリフォルニア州のロサンゼルス郡が配付したメモによると、ハードディスクや光学式ドライブなどを接続するためのIDEインターフェイスに関して、2台以上のドライブをつなぐ際に使われる「マスター(主人)」「スレーブ(奴隷)」という呼び方が、「本質的に不快もしくは中傷と解釈し得る」呼び方だという。
このメモは、ロサンゼルス郡総務局購買/契約課マネジャーのJoe Sandovalによって書かれ、都市伝説などを扱うウェブサイトのsnopes.comで公開されたものだが、このなかには「マスター」および「スレーブ」という語句の使用は、識別表示として適切でないと記されている。
Sadovalはこのメモの中で、「郡としてはメーカー、サプライヤー、および契約業者に対し、機器や部品などの識別や表示を再検討し、本質的に差別的もしくは不快なもの特定して、これらが販売もしくは郡の各部署に納入される前に削除もしくは変更することを求める」と述べている。
このメモを書いた人物の心根は、賞賛に値するかもしれない。Sadovalは「ロサンゼルス郡は、差別の影響を全く受けない職場環境づくりを積極的に推進し、その実現に向けて努力している」と記している。しかしメーカー各社によると、広く採用されている用語 を消し去ることで生じる問題の数の方が、解決される問題の数を上回るという。つまり、ロサンゼルス郡職員を含めたユーザーにとっては、ラベルが変わってしまうと設定がややこしくなる、というわけだ。
ある大手メーカーは、「まったく信じられない」といった調子の反応を示している。匿名希望でコメントを寄せたこのベンダーの広報担当者は、「几帳面で堅苦しいのはイギリス人だけかと思っていたが、このアメリカ人は一体どうしたというのだろう?シュワルツェネッガー知事の考えでないとは思うが、気が違ったとしか思えない」と語っている。この広報担当者によると、ドライブメーカー各社がこの要請に真剣に対応する可能性はほとんどないだろうという。
ITディレクターのAndres Tomlinも同様に冷めた反応を示している。「これは“政治的に正しいこと”を求めて行き過ぎた、バカげた例だ。政治的な点数稼ぎであって、日常生活の実情とは全く関係がない」(Tomlin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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