米レッドハットから個人ユーザー向けのLinux「Fedora」登場

 米Red Hatは6日(米国時間)に、初めての個人ユーザー向けLinuxをリリースする。同社幹部の話では、製品ラインを企業向けと個人向けの2つに分けることで、利益率の改善を狙っているという。

 Red Hatのマーケティング部門バイスプレジデントを務めるJohn Youngは、11月5日に行われたインタビューのなかで、この新製品について「明日登場する」と語った。同社は11月3日に、Fedora Core 1と呼ばれるソフトをリリースするつもりだった。だが、土壇場の障害で、数日発売を延期せざるを得なかったという。

 Fedoraは、同社の新しい製品ラインから出る初の製品で、頻繁にアップデートが行われ、これまで以上に実験的な部分を持つ。2002年に始まった同社の組織再編は、さらにビジネス指向を強め、それを通じて利益率を改善しようとするものだが、この新体制への移行の第2フェーズにあたるのがFedoraである。

 「Red Hatには持続可能なビジネスがあり、長期にわたってサポートを受けられるかどうかを知りたがっている顧客がたくさんいる。我々はいま、2つのLinuxディストリビューションをつくり、それぞれの顧客セグメントにあるニーズに応えようとしているのだ」(Young)

 Fedoraを頻繁にアップデートして、それを提供することで、Red Hatは新しい技術を急速に成熟させようとしている。次のバージョンであるFedora Core 2では、まもなく登場するLinux カーネル2.6に重点を置いている。

 以前はRed Hat Linuxと呼ばれていた同社の製品は、無料ダウンロード可能なソフトウェアだった。Red Hatは、取扱説明書、サポート、そして各種ハードウェアやソフトウェアが同ディストリビューション上で動作するという保証とともに、店頭でこのソフトウェアを販売していた。

 しかし、そのビジネスモデルが利益体質に結びつくことは難しく、Red Hatは製品ラインを分割し、ビジネスユーザーとLinux支持者という2種類のユーザーに、それぞれ別のバージョンを提供することにした。

 このサポートと保証が付き、そして以前より値段の高くなったソフトウェアがRed Hat Enterprise Linux(RHEL)で、いっぽう無料バージョンがFedoraとなった。Youngによれば、RHELは12〜18カ月ごとにアップデートされ、コンピュータ業界の提携企業が自社で扱うソフトウェアをRHELに適合させやすくなる。一方でRed Hatは、Fedoraのアップデートを年に3回行い、最新技術に対応させていく予定だ。

 その他の違いとしては、Fedoraに対するセキュリティホールやバグ修正用のパッチを、Red Hatが提供しないという点がある。今年2月に発表されたように、同社はRed Hat Linuxの多くのバージョンについて、このようなパッチサービスの提供を、2003年末までに段階的に廃止していく計画である。

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