米Hewlett-Packard(HP)にとって、プリンタの使い捨てインクカートリッジは最も利益率の高い製品の1つだ。にも関わらず、同社は昨年、インクカートリッジの詰め替え機に関する特許を申請していた。
HPは現在、インク詰め替え機を販売していないが、そのような機器の販売を開始しようとしている企業が他にあり、年間数十億ドルを稼ぎ出すHPの使い捨てインクカートリッジビジネスを脅かしかねない状況だ。
HPの広報担当がCNETAsiaに語ったところによると、同社が「rejuvenation station」という製品名で特許申請したそのインク詰め替え機に関して、現在製造する計画はないという。
HPのイメージング/プリンティング部門担当バイスプレジデント、Vincent Vanderpoelは、CNETAsiaの質問に対する回答の中で、「HPはプリンティング/イメージング分野の世界最大手企業として、常に新しいプリント方法を研究し、顧客により価値の高い製品を提供している。『rejuvenation station』も、現在行っている研究の一部だ」と語った。
HPが最初に提出した申請書には、「高いプリント品質を維持し、しかも経済的、効率的、そしてコンパクトなプリントカートリッジへのインク詰め替え方法が求められている」と書かれており、その後に、ポンプでインクを注入し、空気圧の不均衡といった問題にも自動的に対処する、カートリッジ固定式インク詰め替え機についての記述が続いている。
この手法と比較されるのが、多くのサードパーティメーカーが採用する、自らの手でインクを注入する方法だ。この方法では、手持ち式の注射器を使ってインクをカートリッジに注入するため、支障が起こる可能性が高い。
しかし、HPのインクビジネスに対する脅威は増すばかりだ。最近、シンガポールのINKEなど複数のメーカーが、デスクトップ型の自動インク・リフィルステーションを49ドルで販売し始めた。INKEは、インクジェットプリンタの耐久年数である3年間で、平均的なユーザー1人当たり329ドルのコスト削減になると主張する。HP のオリジナルカートリッジの場合、最高価格が30ドルであるのに対し、INKE製インクタンクなら、価格は1個当たりわずか6ドルに過ぎない。
Vanderpoelによると、今のところHPが独自にインク詰め替え機を発売する予定はないという。
Vanderpoelは、「HPは多くの顧客に統合型インクサプライ/プリントヘッド付きの使い捨てインクジェットカートリッジを提供している。これらのカートリッジはインクの詰め替えが可能だが、我々が唯一解決できていない問題は、カートリッジのインクを詰め替えた後に、高い画質とカートリッジの信頼性をいかに維持するかという点だ」と述べ、さらに、しかしHPには使用済みカートリッジのリサイクル計画があったと付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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