米Valve Softwareのネットワーク内に何者かが侵入し、人気ゲーム「Half Life 2」のソースコードをそっくりまるごと盗んでしまった。このため、まもなく登場するこのゲームをオンラインでプレイすると、攻撃にさらされる恐れが高まっている。
同ゲームメーカーの創業者兼マネージングディレクターであるGabe Newellは、ゲームのソースコードが流出したという噂に対して、Half Life 2のコミュニティサイト「HalfLife2.net」にポストしたメールのなかで、この事件について説明した。同社は、コードの盗難については、それ以外のコメントを避けたが、米国時間6日に掲載されたNewellのメッセージが本物であることは認めた。
10月2日に掲載された、この盗難についての説明によれば、9月中頃からネットワーク侵入者がValve Softwareの電子メールアカウントにアクセスするようになり、そして9月19日にHalf Life 2のソースコードツリー全体をコピーしたようだという。
Newellの説明によれば、Valveの社内ネットワークは、ほぼ完全に犯人の手に落ちていたという。コンピュータの盗聴装置にあたるキーストローク・ロガーが、従業員のパスワードと機密情報を記録していた。さらに、昨年来、同社は断続的なサービス拒絶(DoS)攻撃で悩まされていた。
Half Life 2は、コンピュータゲーム市場への登場が大いに待たれている人気ゲーム。今年中にリリース予定の同ゲームは、人類と異次元からやって来たエイリアンを戦わせるというもの。ゲームサイトGameSpyの最新データによれば、1998年にリリースされたオリジナルのHalf Lifeは、依然として最も人気の高い オンラインのシューティングゲームだという。
米PivX Solutionsのシニアセキュリティリサーチャー、Thor Larholmは、インターネット上の某所からソースコードを入手し、ゲームをコンパイルしてみた。プログラムはやはりHalf Life 2のようで、きちんと動作したという。
ソースコードを盗んだ犯人の動機については、ゲームでごまかして勝つために、単に足がかりが欲しかったという憶測に焦点をあてる報告も一部にあるが、Larholmは、ハッカーなどが流出したソースコードを使ってプログラム内のセキュリティホールを見つける恐れがある点を強調した。仮に、セキュリティホールの存在がわかれば、オンラインでゲームを楽しむユーザーが攻撃にさらされる恐れが生じる。
「これは非常に深刻なハッキングだ。Valveのセキュリティポリシーがいい加減だったから、こんなことが起こった。一刻も早く、犯人が捕まって欲しい」とLarholmはコメントしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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