シンガポールのセキュリティシステム会社が、多目的USBメモリを開発した。これは、ファイルデータの保存、ドアの開錠、オンライン決済用のセキュアなデジタル認証など、さまざまな機能を1つにまとめたものである。
KeyCryptというこの商品、見た目は何の変哲もないUSBメモリだが、暗号化機能を持つスマートカードチップやRFIDタグを内蔵している。開発元のDigiSAFEでは、これらの機能を組み合わせ、オフィスの入室時やコンピュータへアクセスする際の認証などを、このKeyCrypt1つで済ませられるようにしたと説明している。
KeyCryptのUSBメモリ部分には、ユーザーのデータや、VPN(Virtual Private Network)用クライアントソフト、電子メールプログラム、デバイスドライバなどのソフトウェアを保存できる。これらのファイルやソフトウェアをまとめて持ち歩ければ、離れた場所からでも、安全に電子メールを利用したり、社内ネットワークにアクセスでき、しかも使用したPCでファイルを消し忘れて秘密が漏れるといった事故も防ぐことができる。
KeyCryptには、ストレージ機能以外に、内蔵するRFIDタグを利用したドアの開錠機能もある。これは、現在ビルの入館時に使われているような非接触型カードと同じ機能だ。
さらに、KeyCriptに埋め込まれたスマートチップは、オンラインバンキングのようなサービスを利用する際のデジタル認証に使うこともできると、DigiSAFEのプロダクトマネージャー、Ng Chee Weは説明している。
「このチップは、ハードウェア、ソフトウェア両方での暗号化をサポートしている。PCの利用時に必要なデジタル認証は内蔵するハードウェアで暗号化を行い、電子メールなどを暗号化する際にはソフトウェアを使う」(Ng)
不正利用を防止するために、KeyCryptの暗号化された部分にアクセスするには、ピンも1本必要になると、Ngは語った。
DigiSAFEでは、特定のプロジェクトに携わるシステムインテグレータやソフトウェア開発者へのサポートも提供し、さらに全世界でのKeyCriptの販売に関しては、米ITサービス会社Schlumbergerと提携契約を結んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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