不振が続くハンドヘルド業界で新しいニッチ市場を探し求める米Garminは24日(米国時間)、GPS(全地球測位システム)技術を搭載した同社初のPDAの出荷を開始した。
予想された通り、同社が589ドルという価格設定で発売を発表した「iQue 3600」PDAには、GPS技術が内蔵されている。同社は、このデバイスを今年初めに開催されたConsumer Electronics Show(CES)で発表し、遅くとも第2四半期は発売するとしていた。Garminの関係者によると、出荷目標期日に2週間ほど遅れたのは、これが同社にとって新しいタイプの製品で、デバイスの最終的な微調整に時間を割いていたからだという。
同デバイスは、GPS機能(フリップ式のアンテナとGarminナビゲーションソフトウェアを搭載)とオーガナイザー機能を同時搭載した初のPDA。PDAメーカー各社では、かつては技術業界で将来最も有望だとされた製品分野の復活を目指し、ワイヤレスやマルチメディアといった新しいタイプの機能搭載に努めている。
IDCが先日公表した調査データでは、購入者需要の低迷と、もともと売上げが軟調な時期であることが重なり、第2四半期の世界全体でのハンドヘルド機の出荷台数は、昨年同期比で減少。同期の出荷台数は昨年同期比で10.7%減の2億2700万台となっており、また第1四半期は同21%減だった。
アナリストは、この減少傾向を技術革新が見あたらないためだとしており、これがデバイスの普及を妨げ、現在ハンドヘルド機に興味を示すマニア以外への浸透を限定する要因になっているという。
Garminではこのような状況を打破したいと考えている。
同社のマーケティングディレクター、Gary Kelleyは声明の中で、「このPDAはオーガナイザー機能とナビゲーション機能を1台のデバイスにまとめ、ユーザーにGPS位置情報技術のメリットを提供することで、PDA市場に新たな有用性をもたらす」と述べている。
iQueはPalm OS 5を採用し、200MHzのARMベースプロセッサと32Mバイトのメモリを搭載する。ほかに、音声ガイド式のコマンド、内蔵デジタルオーディオプレーヤ、ボイスレコーダといった機能も搭載し、SD拡張スロットや充電式リチウムイオンバッテリを採用している。カラー画面の解像度は320X480ピクセル。
なおGarminでは、新型デバイスを計画するにあたり、研究開発の重点をCDMAやGSM電話機から、Bluetoothなどのオープンモーバイル技術へと移しているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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