米MicrosoftとAOL Time Warnerという最強のライバル同士が提携、というニュースに驚いたウェブコンテンツ及びソフトウェアの提供会社や消費者は、またもや度肝を抜かれることになるかもしれない。Microsoftがスタンドアローン版Internet Explorer(IE)を廃止するというのだ。
IEのプログラム責任者Brian Countrymanは、Microsoftのウェブサイトに掲載された5月7日のウェブチャットのなかで、同社がIEのスタンドアローン版提供をまもなく廃止すると述べている。
それ以来同社では、Countrymanの発言と、スタンドアローン版IEの現行ユーザーにはアップグレードを提供するという従来の約束との、辻褄合わせに四苦八苦しているようだ。Countrymanには電話でコメントを求めたが、応じられなかった。CountrymanのコメントについてMicrosoftの代表者に説明を求めたところ、その代表者は「実際には社としての方針はまだ定まってはいない」と認めている。
「我々にはどうなっているのか分からない。さまざまな選択肢がたくさんあり、どの選択肢についてがどうかというには時期尚早だ・・・まだ何も決定されていない」とその代表者は述べている。
この曖昧さのせいで、たとえば旧バージョンのWindowsユーザーがIEのセキュリティホールやバグなどにパッチをあてたい場合、次のWindowsクライアントバージョン、Longhorn(コード名)にオペレーティングシステム(OS)をアップグレードしなければならなくなるなど、さまざまな影響が出る可能性が残されている。
「XPや2000など旧Windows OS向けのIEのアップグレードがなくなれば、顧客は最新のブラウザ機能を得るために、OSをLonghornにアップグレードするしか手がなくなる」と、JupiterのアナリストMichael Gartenbergは、インスタントメッセージによるインタビューで答えている。
Longhornは、パソコン新製品の大多数にインストールされるので、企業ユーザーや消費者の多くが将来Longhornに移行するのは間違いない。またWindowsのライセンスを持つユーザーは、MicrosoftのWindowsオンライン自動更新サービス、Windows Updateにアクセスすれば、IEのパッチを入手できる。
OS市場での支配的立場を利用してIEを普及させてきたMicrosoftは、今度は逆に、ブラウザ市場での支配的立場を使って、顧客をWindows新バージョンにアップグレードさせるチャンスを得た恰好だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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