米Palmは6月4日(米国時間)、ハンドヘルド市場における同社の影響力を強化するため、ライバルの米Handspringを約1億6900万ドル相当の株式交換で買収すると発表した。Palmは同時に、同社のPalmSourceソフトウェア部門を分離独立させることも明らかにした。
Handspringの買収契約は、PalmSourceの分離完了後、今秋に結ばれる見込みだ。契約が締結されると、Palmのハードウェア子会社、Palm Solutions GroupはHandspringと合併され、別の名前の新ハードウェア会社となる。
Palmは、Handspringの携帯電話・PDAハイブリッド機器、Treoを自社の携帯情報端末(PDA)製品に追加することで、製品ラインの幅を大きく広げ、競争がますます激化するハンドヘルド市場で優位に立てると期待している。Palmが有利になる見込みとしては、TreoやHandspringの技術一般、そしてHandspringと小売店や携帯電話サービスプロバイダとのつながりが利用できることが挙げられる。またPalmは、コスト削減や、Palmのかつての花形プレーヤーたちの復帰も実現する予定だ。
もともとPalmを発明した、Handspring設立者Jeff Hawkinsと、Palmの元CEOであるDonna Dubinskyの二人は1992年にPalmを設立し、1998年にHandspring設立のためPalmを離れるまで、Palmの幹部に名を連ねていた。
HawkinsとDubinskyは、合併によって生まれる新会社の幹部となり、新たなゴールに向かって新会社を率いていくと見られる。Hawkinsは最高技術責任者(CTO)、Dubinskyは新会社の取締役に指名される予定。
またPalmは、Handspringの買収により、Microsoftの市場包囲に対抗できるだろう。Palmは現在もPDA市場でシェア首位だが、Hewlett-PackardのiPaqなど、MicrosoftのWindows CEオペレーティングシステム(OS)やPocket PCベースの製品が、ここ数年で着実に市場シェアを伸ばしている。MicrosoftはPocket PCを携帯電話・PDAハイブリッド機器に拡張するソフトウェアも発売している。
新会社は、Palm PDAを販売するHandheld Computing Solutionsと、Treoなどの製品を販売するSmartphone Solutionsの2つの事業部門で構成される。Palmは、合併によって、新会社では年間約2500万ドルのコスト節約が達成できると見積もっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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