ソニーのPlayStation 3のゲーム用コンソールとBMWのセダン745iに、Linuxが搭載されるかもしれない。Computer Associates (CA) のシニアバイスプレジデントであり、オープンソースOSを推進するLinux Technology Group の主任設計者でもあるSam GreenblattはCNETAsiaの取材に対し、ソニーとBMWがLinuxへの乗り換えを検討していることを明らかにした。
PlayStationに関しては現在、PlayStation 2 (PS2)でLinuxを作動させるためのキットが売られている。また、SonyはLinuxで動くPS2をネットワークでつなぎ、処理速度を高める実験を行っていると発表している。
GreenblattはPlayStation 3について、「2005年までに発表されるコンソールの次バージョンは、組み込みLinuxに対応しているだろう」と語る。
PlayStation 3はネットワークゲームでの使用を想定しており、組み込みLinuxに対応することで一度に複数の処理を行ったり、多人数での利用も可能になるという。Linuxのコンソールをハードドライブに搭載すれば、ゲームを予約したり、ネットワークからダウンロードして保存するといった使い方ができるようになるという。
BMWに関しては、745iに搭載されているiDriveで組み込みLinuxの使用を検討しているという。iDriveは車内の様々な制御システムを1カ所でコントロールするために開発されたシステムだ。しかし数々の不具合が見つかっており、評判が芳しくない。なお、iDriveのOSは現在、Microsoftの Windows CEを使っている。iDriveの脆弱なアプリケーションコードに非難が集中しているものの、OS自体に問題があるという指摘もなされている。
「Linuxを使えば、この問題が改善される。私がBMWの代弁をすることはできないが、Linuxによってシステムはより強固なものになると、同社の開発者から聞いている」(Greenblatt)
すでにNECとソニーはビデオレコーダーなど、Linuxをベースにした一般消費者向けデバイスを販売している。また、Motorolaも携帯電話にLinuxを搭載することを検討している。IBMはハンドヘルド機にLinuxを搭載すべく開発中だ。
ただし、組み込みLinuxには問題点も指摘されている。ここ数四半期大きな盛り上がりを見せているものの、デベロッパは利益に結びつけるのは難しいということを感じてきているのだ。例えばデベロッパのひとつ、Embedixは先日モトローラに買収されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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