ここ2カ月というものの、米Apple ComputerのMP3プレーヤー、iPodの最廉価モデルが品切れ状態となっている。同社は「一時的」なものと言っているが、アナリストらの懸念は募る一方だ。
299ドルの5GBモデルが品切れのため、現在最も安いのは399ドルの10GBモデルとなっている。Appleのオンラインストアだけではなく、昨年10月にiPod を販売し始めた米Dell Computerや米Amazon.comでも、品切れ状態は続いている。
原因は299ドルのモデルに搭載している東芝製の5GBハードドライブが品薄状態ということにありそうだ。東芝によると、顧客の需要にあわせて5GBハードドライブを製造しているが、現在大部分の顧客は10GBや20GBのドライブを求めているという。そのため、「5GBハードドライブの需要は限られている」(東芝)という。
iPodは大容量の40GBモデルの登場が期待されているが、Appleがリリースを渋っている理由はいくつかある。まず、Appleは新しい40GBのハードドライブを十分に入手できない可能性がある。もし手に入った場合でも、現在新しい音楽サービスを開発しているため、そのサービスが開始するまで待つだろう。また、米Needhamのアナリスト、Charles Wolfは「戦争が終わってから新製品をリリースすることにしたのかもしれない」と予測している。
299ドルのモデルが販売できないことが、どの程度の損失につながるのかは定かではない。しかし、ライバル企業が競合製品の値下げをする中、Appleの製品は相対的に割高となり、シェアを失いつつある。「出荷台数シェアはクリスマスあたりから減少している」と、 米NPDTechWorldのアナリストのStephen Bakerは指摘する。
Bakerは、小型サイズとユニークなデザインが売りのiPodは、競合製品より市場競争力が高いと評価する。だからといって、Appleが製品価格を下げる必要性を認めないのは間違いだと警告している。以前、Appleはより機能の充実したモデルを売り込むため、ローエンド機種のiMacをなくそうとしたが、結果として市場シェアを失うことになった。「エントリーレベルの製品を無視することは、長期的に見て得策ではない」(Baker)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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