米Butterfly.netは米国時間2月27日、同社のオンラインゲーム向けグリッド環境Butterfly Gridを、ソニー・コンピュータエンタテインメントのゲーム機PlayStation 2(PS2)に対応させると発表した。IBMのグリッドコンピューティング技術を利用した同グリッドを、PS2ゲーム開発者向けに提供する。
IBMは、Butterfly Gridにサーバやソフトウェア、物理スペースを提供するほか、ホスティングを担当する。
オンラインゲームは、何千人ものユーザーがゲームに同時アクセスするため、膨大な数のサーバが必要になる。Butterfly Gridでは、複数のサーバが1台の仮想スーパーコンピュータの役割を果たすグリッドコンピューティング技術を利用し、空いているコンピュータにタスクを振り分けて、ゲームの負荷を分散する。
Butterflyの最高経営責任者(CEO)David Levineは、自社のサービスがPS2に最適だと語る。「家電製品であるPS2にとって、信頼性は最優先事項である。性能に対するユーザーの要求は厳しく、パソコンゲームにありがちな動作不良やレスポンスの遅れなどは許されない。大衆市場で成功するには、問題なくスムーズに動作する必要がある」(同氏)
Butterfly.netは、同一のプレイヤーIDで複数のゲームにアクセスできるなどの利点を持つ。「ゲーム開発企業は、グリッド環境によってさまざまな恩恵を受ける一方で、ゲームコンテンツのマーケティング、配信、会計などに関する決定権を維持できる」(Levin)
Butterfly.netとIBMは、来週カリフォルニア州サンノゼで開催されるゲーム開発者向け会議で、Butterfly Grid上で動作するPlayStation 2ゲームのデモを実施する。
IBMのビジネスデベロップメント部門バイスプレジデントのScott Penberthyは、「ゲーム開発者とゲーム愛好家はButterfly Gridを通じて、当社が銀行向けに開発した高度なデータベースを利用するようになる。金融、工学、地球科学といった分野のために開発した技術が、お茶の間で利用される時代になった」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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