Apple Computerは現在、広く普及したIntelプロセッサを搭載するコンピュータへの切り替えを進めているところだが、その同社が特定のハードウェア上でMac OS Xを安全確実に動作させる手法に関する特許を申請していたことが明らかになった。
Appleが申請したのは「改ざんに対して強いコードをつくり出すシステムおよび手法("system and method for creating tamper-resistant code")」に関する特許で、同社は特定のハードウェア以外ではこのコードが実行できないようにする複数の方法をこのなかに記している。これらの方法は、いわゆるバーチャルマシンによって複数のOSを同時に動作できる環境にも対応する。この特許申請は2004年4月に行われていたもので、米国時間3日になって一般に公開された。
Appleはこの申請書のなかで、特定のハードウェアアドレスやROMのシリアル番号を使ってコードのセキュリティを確保する方法を説明している。同社はまた、複数のOS間で情報をやりとりする際にコードのセキュリティを確保することにも触れている。この申請書のなかでは、具体的にMac OS X、Windows、Linuxが挙げられている。
「この発明は、コンピュータデータ処理分野の全般に関係し、とくに改ざんに強いソフトウェアの開発テクニックに関するものだ」とAppleは特許申請のなかで述べ、具体的には「コード難読化」のテクニックに言及している。ソフトウェアメーカーはこのテクニックを使って、デバッガやエミュレータを使ってコードの特定のブロックの仕組みを解明しようとする者の作業を困難にすることができる。
Appleがこの特許を申請した背景には、Intelチップに対応するMac OS Xの準備が進んでおり、来年には最初のマシンが発売になるとの事情がある。
Appleはこれまで、Windows PCとは異なるチップや各種コンポーネントを採用してきたため、同社以外のハードウェアでMac OSが動くことをあまり心配する必要がなかった。だが、Intelチップへの移行が進めば、Macの内部もWindowsベースのマシンに近づいていくことになる。
同社は、Windowsをはじめとする各種OSを、自社が販売するIntelベースのMacでサポートするつもりはないとしていた。だが同時に、MacユーザーがほかのOSを動かせないようにするための措置を講じるつもりもないと述べていた。
AppleのシニアバイスプレジデントPhil Schillerは6月、CNET News.comのインタビューに応え、「われわれは、それを妨げるようなことはしない」と述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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