Apple ComputerのMac miniを今週買った人のなかには、先週販売されていたものより高速なマシンを手にしている人がいるかもしれない。
AppleはCNET News.comに対し、同社が処理能力などを強化したMac miniを出荷し始めたことを認めた。しかし同社では、新しいマシンが含まれるパッケージにも、そのことを示す表示は付していない。このため、顧客には自分が買おうとしているものが新モデルかどうかを見分ける方法はない。
Appleは「一部のMac miniには、公開されている仕様よりもわずかに高性能なパーツが搭載されている可能性がある。ただし、公開されている仕様にも部品番号にも一切変更はない」と声明のなかで述べている。
Appleは、この強化版システムの正確な仕様を明らかにしなかった。だが、ファンサイトのThink Secretによると、一部のモデルには、現行の1.42GHzではなく1.5GHzのプロセッサが搭載されているほか、記録型DVDドライブの高速化や、ビデオメモリの増量、そしてBluetoothワイヤレスインタフェースの強化が行われているという。
業界観測筋は、Appleがなぜ強化版のMac miniにその旨を明示しないのかがわからないと述べている。
Technology Business ResearchアナリストのTim Dealは、「なぜ彼らがこんなことをするのか、私にはわけがわからない」と語り、Appleのやり方はまるで「福袋」のようだと付け加えた。
NPD TechworldでPC小売市場の調査を担当するStephen Bakerは、この措置を「極めて異例」だとし、コンピュータのハードウェア仕様に重要な変更があった場合は、新しい部品番号が与えられるのが一般的だと述べている。
そうでなければ一部の小売業者を苛立たせることになり、Appleの直営店でも問題が発生すると、Bakerは言う。公表された仕様通りの製品しか入手できなかった顧客が、自分のものよりも高性能な製品が存在することを知って返品する可能性もある。
「小売業者の大半は、パッケージの表記と中身が同じであり、顧客が目的通りのものを購入できているかどうかを注意深く見ている。それが信頼につながるからだ。結果の良しあしは問題ではない」(Baker)
Appleの関係者からこのような措置をとった経緯について話を聞くことはできなかった。
「こんなふうに仕様の違う製品を一緒に流通させるべきではないし、またそれを顧客に知らせないというのもよくない」とTechnology Business ResearchのDealはいう。「ある製品をアップグレードする場合、これまでは既存製品を割引して流通チャネルにある在庫を一掃させた後、アップグレード版を投入するというのが普通のやり方だった」(Deal)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス