米マックストア、ハードディスクの密度倍増

 ディスクドライブメーカーの米Maxtorは、垂直記録方式という費用対効果の高い次世代技術向けプラターの開発において、大きな進展があったことを明らかにした。

 同社は米国時間13日、同社子会社のMMC Technologyが、今日のドライブで使われているメディアとほぼ同等のコストで、この新技術に対応するディスクドライブメディアを製造する手法を実証したと発表した。Maxtorによると、この新メディアと垂直記録技術により、典型的なディスクに記録できるデータ容量は倍以上になり、3.5インチのプラター1枚あたりでは、現在の標準である80Gバイトから175Gバイトへと拡大できるという。

 MMC Technologyの研究開発担当バイスプレジデント、Ken Johnsonによると、垂直記録メディアの製造手法は他社でも保有しているかもしれないが、その方法が必ずしも低コストであるとは限らないという。「ご存じの通り、この業界では費用対効果の高さが非常に重要だ」(Johnson)

 垂直記録では、デジタル情報を保持する磁荷を、プラター上に垂直に並べる必要がある。ある意味で、ディスクの表面は小さい磁石が垂直に立った状態となっている。このアプローチは、現行の業界標準手法である水平記録方式とは対照的で、水平記録方式では、磁荷がプラターの表面上に水平に並べられている。

 垂直記録は数十年前からある手法だが、まだ広範には普及していない。ディスクドライブ業界は、この技術抜きでもデータ密度を急拡大させることができたのだ。たとえば、1990年代後半にはデータ密度は毎年倍増していた。ところが、最近は技術的課題などもあり成長率が伸び悩んでいた。

 垂直記録方式にも、独自の課題があった。垂直記録方式のヘッドがディスク上の磁荷を読み書きするのを助ける磁性体の「ソフト下層」の問題もその1つだった。Johnsonによると、研究者たちは下層部分を400ナノメートルもの厚さにしなくてはならないと考えたという。磁性体の最終的な最上位層の厚さがおよそ30ナノメートルであることを考えると、プラターに塗布する素材は比較的大きな部分を占めることになる。

 Maxtorでは、ソフト下層に新たな配合と構造の素材を採用することで、この厚さを100ナノメートルまで削減したという。「これで今日の製造機器でも、垂直記録方式のメディアが“製造可能”になった」(Johnson)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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